コルラド国の事情を聞く
まぁこれで『門のシール』設置問題は解決した。
後は王様に設置してる事を教えるだけなんだよな。
これはモリタ君に任せたいと思う。
しかしサミットの事を伝えずに説明するのは難しい。
って事で手紙を書く事にした。
これを渡してもらえれば万事解決。
部屋の一角を借りて、手紙を書く。
『お久しぶりです。福田です。
サミット用の門のシールですが、モリタ君の部屋に設置しています。
詳しい場所はモリタ君に聞いてください。
では、サミットの時にお会いしましょう。』
こんなもんだろう。
後は褒美の事を言われる可能性はあるが、これには言及しない。
向こうで適当に決めてくれって思ってる。
特に欲しい物は無いし……あっ、魔法道具は欲しいかも。
確かこの国で盛んだったよな?
「モリタ君、ちょっと聞きたいんだけど」
「何でしょうか?」
「コルラド国って魔法道具開発が盛んだって聞いたんだけど」
「事実ですね」
「そうなんだ。何で魔法道具開発が盛んなの?」
「昔、大森林があったと思われる場所からは、良い魔法石が採れるんですよ。
それをそのまま売るよりも魔法道具にした方が儲かるので」
ふ~ん。そうなんだ。
やっぱり大森林が魔力を吸ってたからなのかな。
それを大地に溜め込んでたんじゃないだろうか?
俺は大森林の事を神様から聞いて知ってるけど、普通の人は知らないのにな。
やっぱり経験からの推測なんだろうか?
「じゃあモリタ君、もし王様に何か聞かれたら『魔法道具』って伝えておいて」
「えっ? どういう事です?」
「そう言うだけで良いから」
「意味が判らないんですけど?!」
「大丈夫、大丈夫だから。そう、大丈夫だから」
「何で3回言ったんですか?!」
「気にしないで。手紙を渡す時に一緒に言っても良いかもね」
「だから、何なのですか?!」
「気にしないで。よろしくね!」
「……判りましたよ。伝えますよ。手紙も渡せば良いんでしょ?」
追求は諦めてくれたようだ。
後にサミットの事は知るだろうけど、今じゃ無くても良いもんな。
そういう事を伝える大役は、王様の仕事だよね。
「じゃあ、帰るから!」
「もう帰るんですか?!」
「うん。次に行かなきゃいけない場所があるんだよ」
「どこに?!」
「セキハイムに向かうんだ」
「そ、そうですか。確かにそれなら早く行かないといけませんね……」
「ごめんね。でも『門のシール』の場所も判ったから、また来るよ」
「約束ですよ! お願いしますよ!」
「うんうん、約束するよ」
モリタ君と約束をして、軍の官舎を後にした。
そのまま馬車に乗り込み、港へ向かう。
ここでも運を使って、港に到着するまでにトラブルが無いようにする。
ラノベとかだと、道中で何か起きるんだろうけどな。
ふっふっふ、フラグなんか立てさせないぜ!




