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販売方法

こういうのをまた後回しにすると忘れるよね。

って事で、さっさと城に来ています。

どうせ城下町に居るんだしね。


王の私室に行くと、部屋の中央に天井からぶら下がってるヒモが。

そのヒモには紙が貼ってある。

何々、「福田君へ 来た時はこのヒモを引いてくれ ベルが鳴る仕組みになっている」だと?

突然来ても大丈夫なように対策したのか。


ヒモを引いてみたが、音がしない。と言うよりも反応している感じが無い。

なので今度は思いっきり引っ張ってみた。


ゴーン


ん?! 何だこの教会の鐘の音みたいなのは。

もしかして今のに繋がってるのか?!

明らかに外から音がしたぞ? 城の屋上に設置されてるんじゃないだろうな?


少しすると、ネモト卿がやってきた。

やっぱりアレが呼び出し音なのか?


「福田さん、今日は何の用件で?」

「いや、それよりもまずはコレですよ!

 あの音はベルじゃなくて鐘ですよね?!」

「ベルですよ? ちょっと大きくなってしまいましたが。ベルと発注したのでベルです」

「サイズが変わったら、もうベルじゃないでしょう」

「いえ、ベルです」


何でそんなに頑固なのだろうか。

別に鐘でもいいじゃん。


「じゃあ、ベルで良いですよ。

 えっと、来たのは王の話し合いの件です」

「あぁ、サミットの事ですか」

「あれ? サミットって言うって知ってるんですか?」

「ええ。既にロッツギルの王から連絡が来てますよ」


早いな! 電話も無いのにどうやってるんだ?

伝書鳩? それでも早すぎるだろ。

あぁ、俺みたいに『コネクト』使ってるのか。

手紙を書いて、門をくぐり置いてくれば、合図も合言葉も必要無いもんな。

きっとそうなんだろう。

って事は、既に各国に通達が行ってると考えて良いな。


「そのサミットの事ですが、多分ですが緘口令かんこうれいを出してると思うんですよ。

 ですが、武具屋のタルーンさんに喋ってしまいました。

 誰にも言わないようにとは話してあるんですけど、一応伝えておこうと思いまして」

「なるほど、気遣いありがとうございます。

 緘口令とまではいきませんが、確かに内緒で話は進めてますね。

 なので知っている人の情報を貰えるのはありがたいですね。

 こちらからも、口止めをお願いしに行きましょう」

「お願いします。あぁ、それと俺とタルーンさんで今度福袋ってのを売り出すんですよ。

 ギャンブルじゃないので、見逃してくださいね?」

「見逃すって事は、ギャンブルに近いのですね?」


さすがネモト卿。察しが良い。

俺は福袋の事を説明しておいた。


「そういう事ですか。確かに損が無いのでギャンブルとは言えないでしょうね。

 許可しますが、王様には言わないようにお願いしますよ。私も言いませんので」

「了解です。買いに行きそうですもんね。

 じゃあ、許可の事も一緒に伝えてもらえます?」

「ええ。必ず伝えましょう。ところでその福袋は買占めされたらどうするんです?」

「一応、1人1袋って決めてますけど」

「知り合いとか集めて買い占めそうですけどね」

「あぁ、その可能性はありますか。どうしようかな」

「冒険者ギルドを利用しては?」

「どういう風にです?」

「どうせ武具を買うのは冒険者でしょう? ならば冒険者登録している人限定にするんですよ」

「それでも頼む人は居るんじゃないですか?」

「冒険者が折角良い武具が手に入るのに、入手出来る権利を人に譲るとは思えません」


そりゃそうか。

特に稼ぎの少ない冒険者は手放さないだろう。

逆に稼いでる冒険者は福袋で手に入るような武具は持っているから興味無いかも。

良い作戦だ。それでいこう。


「それは良い作戦ですね。それでお願いしようかな」

「ではヌマタ卿に話しておきますね。そうすればギルドマスターに話が行くでしょう」

「あっ、お願いします」

「いえいえ。こちらこそ、サミットの事、お願いしますね」


そういえば俺の頼みより、向こうの頼みの方がデカかったわ。

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