門のシールを確認する
「これでうちの褒美も決まったな。
決まってないのはニーベル・コルラドの2国じゃな」
「あれっ? ニーベルって決まってないんですか? 一番滞在期間が長いんですけど」
「長いからこそじゃないかの? あの国で欲しいものなぞ、大体手に入れておるんじゃないかね?」
そう言われてみれば確かに。
家はカジノの町と王都にあるし、不服だけど王との繋がりも深い。
執事のヒタキさんも居るので、メイドや執事問題は無い。
うん、今更あの国に貰う物なんか無いな。
「一応聞いておこうかの。2国に希望する物はなんじゃ? 口添えするぞ?」
「う~ん、コルラドは……あっ! あそこって魔法道具が盛んでしたよね?」
「そうじゃの。そう記憶しておる」
「じゃあ、魔法道具を貰います」
「うむ。良い考えだと思うぞ。ニーベルは?」
「何も思いつきませんね」
「ホッホ! ならば王にそう言ってやるが良い。さぞかし慌てふためくであろうて」
「そうします」
あの王が慌てふためく。
うん、いつもの事じゃないか。
多分悩むのはネモト卿なんじゃないだろうか?
「それで、これから福田君はどうするかね?」
「それこそ『門のシール』を設置しなきゃいけないんでしょ?
船でコルラドに行って、それからセキハイムに行きますよ」
「グランザムにはあるのかね?」
「あ~、ちょっと待って下さいね」
俺はメモ帳をチェックする。
ペタペタ貼りすぎてて判らないんだよな。
1.所子のタルーンさんの敷地内の物置
2.タルーンさん所有の王都の支店の、額縁の裏
3.『門のシール』と同じ大きさのミスリルの板(移動用)
4.馬車の中の時計の裏
5.カジノの町の自分の家のベッド
6.ウエダさんの家の勝手口
7.ダンジョンの10階の、トムさんのログハウスの2階
8.所子のダンジョンの隠し部屋
9.ニーベル国王の私室
10.王都の家のウォークインクローゼットの中
11.『門のシール』と同じ大きさのミスリルの板(移動用2枚目)
12.ホウズキさんの家
13.『門のシール』と同じ大きさの木の板(仮移動用)
14.セキハイムに泊めている船の中(使えない)
15.ノートルダムの王の私室
16.モリタ君の持っている板
17.所有している船の中(使えなくなった)
18.ロッツギルの王の私室
19.グランザム帝国の『素材の宝庫』ダンジョン内のエリクサーが沸く小部屋
20.グランザム帝国の出汁ダンジョン6階
21.死者の管理施設のダンジョンと繋がっている洞窟(ジローの所)
よくよく見てみれば、船に2枚も張ってるし。
無駄じゃないか。貼る時はちゃんとチェックしてからにしよう。
というか、このメモを判りやすく書き直した方が良さそうだな。
貼った順番で書いてるから、訳が判らなくなってる。
書き忘れもあるかもしれない……。
「あ~、グランザムの国にはあるんですが、王の所には無いですね」
「では行くのか?」
「出来ればお任せしても良いですか?」
「ん? 任せるとは?」
「適当な物に貼りますんで、届けてもらえたらな~と。隣国ですしね」
「ちゃっかりしとるのぉ。まぁ良い。それくらいはしよう」
助かった。
これも書いておかないとね。
「22.グランザムの帝王に渡す物」、と。
うん、カオスになってきた。
本当にまとめが必要だわ。




