料理指南
何とかABCは様になってきた。
と言うかこれくらいは出来ろって感じだが。
聞いてみた所、ここはやはり紛争に近い事もあり高いランクの冒険者が居ないそうだ。
なのでランクが高い冒険者と触れる事が無かったらしい。
若手を育てるのがランクが高い冒険者の仕事でもあるからね。
動きや働きを見せてやるだけでも違うんだなぁ。
そういう人達が居ないだけでこうも違うものなのか。
さて、ここまで20匹くらいモンスターを倒してきたので、全員レベルが15になった。
3人で対処してるので、レベルアップが遅いのはしょうがない。
時間も時間なので安全地帯に移動中だ。
ここのダンジョンはこうやって新人育成に使うだけあって、安全地帯がある。
3階くらいまではマップもあるらしい。
この安全地帯に集まってここで1泊するそうな。
出発はバラバラだったが、徐々に集まってきた。
俺達が最初だったけどね。
今はテントを設置している。
これは安全地帯に置きっぱなしにしてあった。
こういう物を運ぶのも自分達でするべきだと思うのだが……。
まぁほぼ初心者のこいつらには無理か。
テントとか持っていたら、戦闘すら出来ないだろう。
テントの設置も終わり、次は料理。
と言ってもテントの設置すらちゃんと出来なかったけどさ。
これもヒヨの指示で何とかなったけど。
料理も問題が……。
だれも料理出来ないのか?!
そもそも素材も材料も持ってきてないって何だよ!
そのくせ、調味料だけは大量にあるし!
もうお前達は野菜にマヨネーズでも付けて食べてろ!
って思ってたら、ちゃんと料理させてくださいって怒られた。
そう言われてもさ、材料すら持ってきてないやつらだぞ?
どうしようか悩んだが、しょうがないのでテントに隠れて王都の家に帰った。
家で料理の材料を集めて安全地帯に戻る。
さて、さっさと作って食べるが良い。
俺は王都で作ってもらった飯を食べるから。
変な物を食べて明日動けなくなってもしらないが。
さすがに俺は料理までは教えられない。
ラノベとかでは主人公は自炊してたり家の家事を担当してて料理出来るパターンが多いが。
だが、そんな便利な話は無い!
俺は一人暮らしをしてたけど、基本外食やコンビニ弁当、そして冷凍食品だった。
男の一人暮らしなんてこんなもんだ。
大体、炊飯ジャーも無いのに米を炊ける訳無いだろ。
キャンプでやった事はあるけど、それも指導されながらだったし。
そもそもだな、素材が違う異世界で料理が出来る方がおかしいのだ!
出来る料理ってせいぜい、チャーハンとか野菜炒めくらい。
つまりはフライパンに油を引いて炒めるだけ。簡単な炒め物しか出来ない。
教えろと言われれば教えるけど、切って炒めるだけを教えてもなぁ。
そこで閃いた。
再度テントに行って王都に行き、ヒタキさんを連れて帰った。
指導する人が居れば良いのだ。うん、これで解決!
ABCにはどこから人が来たのか不思議にしてたが、従魔って事で納得させた。
人に変身出来る訳無い!と言ってたが、ケロを変身させたら納得した。
そのヒタキさんは、ホッホッホ従魔ですよと言って乗ってくれた。ありがたい。
お陰で食べられる物が出来たようだ。
助かりました。
ヒタキさんは、帰る前に組み手までしてくれた。
さすが万能執事。戦闘もお手の物ですか。
しかし今気づいたのだが、1日だけと言われたはずなのだが、何で宿泊?
明日は見捨てて自分達の目的をしても良いのだろうか?
と言うか、テントで寝たくないぞ!




