表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
678/949

略称

謝ってきたのは男女の冒険者。

俺と同い年くらいかな?

胸元に見えるランク証は赤色。


「本当にすみませんでした。早とちりしてしまって……」

「もう良いですから。誤解が解けたのなら大丈夫ですよ。自分は福田って言います」

「あっ! 自己紹介もしてませんでした! 私はクズハ、こっちはケンゴって言います!

 今日はよろしくお願いします!!」

「こっちは、カンダさんとキジマさん、でコタニさんとナグラさんだ。よろしくお願いします」

「福田さんのパーティーの方達ですね。自分達は『ドーラクエ』ってパーティーに所属してます。

 福田さんのパーティーは何と言うんですか?」


はい、ちょっと待とうか。

2点、引っかかる所がある。

まずは……何だよそのパーティー名!

某RPGの略称みたいじゃないか!


そして、自分達のパーティー名だと?

確かにたまに冒険者の人と話をするとパーティー名が出てくる。

もしかして必要なのかな?

これはギルドで聞いた方が良さそうだね。


って考えてる間に、ナグラさんが俺も感じた疑問をクズハさんに質問してた。


「ねぇ、何でパーティー名は『ドーラクエ』なの?」

「えっと、ナグラさんでしたね。

 うちのリーダーが貴族の息子でして。遊び半分で冒険者を始めたんですね。

 その時に『道楽をエンジョイするぜ!』って口癖のように言ってたんです。

 ただ、冒険者の才能があったようで、そのまま家を飛び出して冒険者になってしまったんです。

 その口癖を使って当時のメンバーがチーム名を決めたそうです」


……まだゲームの名前を使ったって方がまともだったわ。

ヒドいパーティー名だ。言わないけどさ。


俺はカンダさんに、いや、キジマさんにコッソリと聞いてみる。

カンダさんよりも詳しそうだからさ。


「パーティー名って必要何ですか?」

「少人数の場合は必要無いですね。多人数の場合は判りやすくする為に付けるみたいですよ」

「付けた事でのメリットは?」

「信用ですね。実績の良いパーティーなら、そこに所属するだけで実績が無くても信用されます。

 後は人が集めやすい事ですね。大人数が必要な依頼の時に知らない人と組まなくて良いです」


信用か。これは後から加入する人のメリットだな。

人数の事は確かに納得だ。

知らない人と組むよりも知ってる人の方が安心出来るし、連携も上手く行く。


「デメリットは?」

「そうですね……パーティー内の決まりを守らなくてはならないというのがありますね。

 後は、決まってるお金を払わなければならないようです」

「お金?」

「パーティーを維持する為に使うお金です。

 例えば私達の場合、馬車や船をメンテナンスする費用に使う感じです」


なるほど。

信用の為にパーティー内での決まりはあるよね。

例えばギクシャクするからパーティー内恋愛禁止とかさ。

お金は積立金みたいなものか。

共有の物を持っていれば、それに掛かる費用は人数割りにするのは当然だ。

ホームでも持ってたらなおさらだよね。


ここまで聞いてみて、俺達にパーティー名は必要かどうか。

メリットは……あまり感じないな。それは俺以外の人が感じる事だし。

そもそも、雇い主(俺)と護衛の3人、+保護されてる人。って集まりだもんな。

デメリットも無いな。

決まりなんか無いし。あぁ、秘密をバラすなってのがあるわ。

これは雇ってるんだから当然だ。

メンテの費用や家の維持費? 俺の持ち物なんだから俺が出すに決まってる。

なにより、船に維持費は要らないしな!


判りやすくするってだけだねぇ。

雇い主と護衛って言うよりも、パーティー組んでますって言った方が受け入れられそう。

なんか、適当に付けるかなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ