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王と釣り

「何で王様を釣りに連れて行かないといけないのさ?」

「それは私が説明しましょう!」


ネモト卿?!

どこから現れたのさ?!


「現在王様は難しい案件に取り組んでおり、自由がありません」

「こないだカジノの町に来たじゃん」

「自由がありません!」

「だから、こないださぁ……」

「ありません! 無いって言ったら無いのです!」

「……はい! 無いんですね! 判ったから迫ってくるのは止めてください!」


なんなんだよ、もう。

とにかく自由が無いほど忙しいって事なのね?


「この状態では息抜きをしようとしても、見つかれば怠けていると思われてしまいます」

「それは普段の行いのせいでは……?」

「当然、その通りです」

「おいっ!」

「ですが、今回は本当なのです」

「スルーするな!」


いや、王様よ。自覚しようよ。

治療には自覚する事が第一歩だよ?


「そこで福田様です!

 福田様の『コネクト』を使えば見つかる事はありませんし、短時間での息抜きが可能。

 船の上なら逃げ場もありません。

 しかも福田様なら時間を厳守してくれるでしょう! 帰りたがらない王など、一撃必殺で!」

「「殺すな!」」


何で帰らないだけで王様を殺さなきゃならないんだ。

簀巻きにしてポイで十分だろ。

あっ、それが出来る家臣っていないか。一応王様だもんね。


「という事でお願いできないでしょうか? 1時間で良いんです」

「うっ……。まぁ移動のついでに釣りをしてただけだから、釣りをするだけなら問題無いですけど」

「お願いします!」

「ただ、釣れないと不機嫌になる人も居るからなぁ……」

「お願いします!!」

「判りました! 判りましたから迫らないでください!」


恐ろしいわ、ネモト卿の圧。

にこやかな顔でジリジリと近寄ってくる。


移動の最中に釣りをするだけだから、問題無いけど。

魚群探知機に頑張って仕事してもらいますか。


って事で王様を連れて船に移動する。

一回島を経由しないと船にいけないのは不便だなぁ。

この事はルシファーさんに相談しよう。


早速魚群探知機を作動させて、魚の群れを探す。

この世界は海が汚れてないせいか、魚が多い。すぐに大きな群れが発見出来た。

もしかしたら海に獣が存在してるので、沖にまで漁に来ないせいもあるのかもしれない。

港で見た船は、どれも木製だったもん。クラーケンみたいな獣に襲われたら1発だろう。


今回はっけんした魚群はサバの群れだった。

けっして激熱の予告の事ではない。

仕掛けを海に投げ入れれば、5秒も待たずに当たりが来る。

総出で釣ったが、30分で100匹以上釣れた。

ちなみに時間の割りに釣れてないのは、つれた魚を外したりエサを取り替えたりしたからだ。


「これをエサに大物を狙うのだな?」

「いや、今日はこれで終わりですよ。送りますので帰ってください」

「なんと?! 大物を釣る約束だったではないか?!」

「そんな約束はしてませんよ。さあ、帰りましょう」

「いやじゃ、いやじゃ! 大物を釣るんじゃ!」

「子供かっ!」


結局簀巻きにして、王の私室へ放り込んでおいた。

嫌がらせの為に、簀巻きにする時に魚も一緒に巻いておいた。

「生臭ーい!!」と抗議の声がしたような気がした。

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