オープンです!
遅くなりました…。
とうとうオープンの時間がやってきた!
まずはココの責任者の挨拶。
実は知らない間に、冒険者ギルドのマスターだったエザキさんが就任してた。
ギルドの方は副ギルドマスターってのが繰り上がりでなるらしい。
副なんて居たんだね。
エザキさんの挨拶はシンプルなもので、1分もかからずに終わった。
冒険者は挑戦してください、他の人は買ってください、くらいしか言ってない。
判りやすくてシンプル。うん、挨拶なんてこのくらいで良いんだよね。
次は王様の出番。
と言っても挨拶をする訳ではない。
集まった人達に顔を見せて、偉そうに宣言するだけ。
まぁ、王様なんだから偉そうでも問題は無いんだが。
なんて考えてたのに、何故か長々と話しているな。
聞けばカジノの町の成り立ちから話してるじゃないか!
あっ、ヌマタ卿が壇上に上がった。
すると王様は演説を止めて、宣言して終わった。
俺は観客側ではなく、王様達と同じ場所に居る。
こちら側にはエザキさんやサガワさんも居るんだよ。
何が言いたいかといえば、こちらは壇の裏側だって事。
ヌマタ卿が何をしたかが丸見えだったんだ。
壇上に行ったヌマタ卿は、王様に耳打ちする振りをしながら足を踏んでいたんだよ。
それはもうグリグリと。
顔色を変えなかった王様も、ある意味凄い。
尊敬はしないけどな!
この後はサガワさんによる賭けの仕組みや注意事項の説明。
これが一番重要だ。
賭け方が判らなかったら、買えないんだからね。
それに注意事項。とても重要です。
不正を行ったらどんな罪になるのか等を話している。
ちなみに、横領や八百長をした場合は死罪なんだってさ!
王様が許さないそうな。ギャンブル好きだから、許せないんだろう。
怖い国だわ。
最後にダンジョンコアを取ったらどうなるかの説明が始まった。
盗るのは勿論、盗るように指示しても死罪だそうだ。
で、最後に実際に取るとどうなるかのデモンストレーション。
ここで俺の出番となった。
俺は大観衆の前ではしごを登り、ダンジョンコアをポールの上から外す。
本来は接着剤のような物でくっつけるのだが、今日は外れるようにしてあるから簡単に取れた。
すると晴れていた空があっという間に曇り、雷鳴が轟く。
皆が空を見上げた時、それは顕現した。
「神聖なるダンジョンのコアを盗る所業、許されぬ。
この世界に二度と日が差す事は無くなるだろう。
そして、盗った者とそれを指示した者よ、死の呪いを受けよ!」
え~と、言ってる事は打ち合わせ通りなんですが……。
いや、若干大げさになってますが。
そんな事よりもさ……貴方誰ですか?!
仏様じゃなかったんですか?!
知らない神様が出てきちゃったよ!
ちなみに指示したのは一応王様って事になってる。
サガワさんが説明した後に、王様の許可を得てたからね。
だから、今、王様はメチャクチャうろたえてる。
こんなんなるって聞いてなかっただろうからね。
観客席の大観衆も、おびえる者や祈る者などさまざま。
共通するのは、誰もが事実だと思っている事。
疑わないんだね。魔法のある世界なんだから、魔法じゃないか?と考えそうなものだが。
おっと、王様から、早くコアを戻せと指示が出てる。
しょうがない、戻してあげよう。
コアを戻すと、神様は消えて空も晴れ上がった。
これでコアを盗ろうなんて考えるバカは居なくなるだろう。
神様が出たなんて、世界中で話題になるだろうし、知らなかったは通用しないだろ。
そもそも死の呪いって神様に言われてるのに、盗ろうと考える人なんか居ないと思う。
それよりもあの神様は誰だよ!
仏様に聞かなくちゃ!!




