ダンジョン作成2
「細かい事ですか?」
「そう。広さとかどんな構成にするかとか」
そういうやつね。
そういうのはあらかじめ考えてあるんだよ。
「1階は洞窟タイプで。2階は迷路。3階は寒い。4階は暑い。5階は水。これでお願いします」
「1・2階は判るけど、3階とかの寒いって何?」
「寒いだけで動きは鈍るじゃないですか。暑いと疲れるし」
「水ってのは?」
「た○し城みたいに、何かを浮かしておいて、間違いのに乗ると沈む仕組みです。
水に落ちたらスタート地点に流されるようにしましょう」
「なるほどね。何回もやらせるんだ」
「そうです」
あれは見てて面白かったからね。
あっちは再挑戦は出来ないんだけどさ。
「それと、これが一番重要なんですけど」
「何かな?」
「試練のダンジョンってのがコルラド国にあるじゃないですか」
「あぁ、君がサキに復讐したきっかけのダンジョンだね」
「……そうです。アレみたいに内部を外にモニターしたいんですよ」
「それは簡単だね。日本の技術でも持ってこようか」
「可能なんですか?!」
「日本で作らせて、それをコピーしてこっちにペーストするだけさ」
パソコンで作業してるみたいだ。
そんな事が可能なんだなぁ。
「じゃあ、ダンジョンコアの近くに制御室も作ろうか」
「そこでモニターの切り替えとかするんですね?」
「そういう事。実況も入れられるようにするよ」
「本当にテレビ番組みたいになってきましたね」
「そういうつもりで作ってるからね。ゲームやアトラクションのつもりだよ」
「ゲームっていうなら、セーフティーゾーンも作りましょうか」
「そうだね。休憩出来る場所は必要だね。ギブアップの場合もそこから出られるようにしよう」
「後は安全の為に、閉店したら閉まるようにしましょうか」
「そうしよう。その時には、中に居る人間は排出されるようにするよ」
道に迷っても時間が来れば排出される。うん、安全だ。
「そんな所かな?」
「そうですね。本当は謎解きとかも入れたかったんですけど、謎を考えるのが面倒なので……」
「あぁ、期間限定で入れても良いね。うちにそういうの考えるのが好きなのが居るから作らせるよ」
「本当ですか! じゃあ、お願いします」
「うん。じゃあ今言ったような内容で作るよ。
今日は穴が空くだけだから。入らないようにね。入った場合、生死の保障は無いから」
「……伝えておきます」
仏様は懐からダンジョンコアを取り出して、地面に埋めた。
その後に懐からジョウロを取り出して水をやる。
あの懐はどこと繋がってるのだろうか?
1分程すると、地面に1mくらいの穴が空いた。
これが徐々にダンジョンになっていくのだろう。
「じゃあ帰って準備するから。また連絡するよ」
「お願いします」
そう言って仏様は、また大森林に帰っていった。
フィールドオブドリームズみたいに、あそこがどこかと繋がってるのか?
だったらアサイさんとかも出てきそうでイヤだなぁ。
俺はサガワさんを探しに建設現場に戻る。
丁度サガワさんが上から降りてきたので、伝えておく。
「無事にダンジョンは設置しました。
今出来ていってるので、穴に入らないように厳命してください。危険ですので」
「ありがとうございます。判りました、穴に近寄らないように言っておきます。
ついでにバリケードして囲っておきましょう」
「それが安全ですね。お願いします」
「はい。それで、どれくらいで出来るのでしょうか?」
しまった、聞いてない!
仏様の事だからすぐにでも出来そうな気がするけどなぁ。
「う~ん、1週間くらいは考えてもらえますか?」
「1週間ですね。判りました」
その後、サガワさんと俺の家に帰る。
家でダンジョンについて、仏様と話した内容を伝えておく。
それに合ったギャンブルを作ってくれるだろう。
後はサガワさん任せですよ。




