ダンジョン作成1
「では早速ダンジョンを作成しようか」
「あっ、でもあの時のダンジョンコアはグランザムの帝王に渡しましたよ?」
「その点は大丈夫! ちゃんとすり替えてきたから」
「良いんですか?!」
「どうせダンジョンコアの事なんか判らないんだから。
それに、ちゃんと魔力を保存出来る玉と交換したからバレないって」
「仏様がそう言うのならバレないんでしょうけど……何か騙してる感じが……」
「忘れてしまえばOKさ! さて、作ろうか」
「いいのかなぁ……」
もうやってしまった事なので今更なんだが、罪悪感がする。
しかもそれを使うってのが、また。
まっ、いいか。仏様が良いって言うんだし。
何かあったら仏様に責任を取ってもらおう。
「どういう物を作るんだい?」
「えっとですね、階層は5階くらいで良いです。
1フロアに2つだけ宝箱を置いてください。1つはボス付きで。
で、ボスを倒すと次の階への階段がランダムに出る仕様にしたいんですよ。大丈夫ですかね?」
「全然OKだよ。ボスの強さは?」
「1階がレベル15、それから階毎に10づつ上げてください。
5階のボスだけは100にしてください」
「それは何で?」
「5階は強者が揃った時だけしか使わないんで」
「ふ~ん。各階のモンスターはどうする?」
「そうですね……。ボスよりもレベルが5くらい低いのを配置しましょう」
「ふむふむ。強さはどうする?」
「? 強さ? 今言いましたよね?」
「それはレベルの話だね。そうじゃなくてさ、魔法を使うとか、そういう話」
「なるほど。偏り無く置きたいですね。
魔法を使う敵・魔法が効かない敵・防御力が高いけどHPが少ない敵・攻撃力が高いけどHPが少ない敵。
素早い敵・眠らせてくる敵・すぐ仲間を呼ぶ敵。こんな感じでしょうか?」
「眠らせてくる敵って必要?」
「ええ。クリアタイムを競うので、10分でも眠らされたら困るでしょ?」
「確かにイヤな敵だね。要望はそれくらい?」
「モンスターに関してはそれくらいですかね。あぁ、ドロップ品があった」
「どうする?」
「そうですね。足止めの為に基本的にはお金を出しましょう。あっ、飛び散るってのも面白いかも」
「拾うか進むか躊躇させるんだね。狡猾だね~」
だって、目の前で万札がヒラヒラしてたら取りたくなるじゃん?
いくら急いでても、ちょっとくらいは……って考えると思うんだ。
「じゃあモンスターに関してはこれくらいかな。出すモンスターに指定はある?」
「そこはお任せで。あぁ、でも、従魔にしてるモンスターは止めて下さい。
違うと判ってても倒されるのを見るのはイヤなので」
「了解。じゃあ次はコアの話かな?」
ダンジョンコア。取られるとダンジョンが停止する。
う~ん、どうしようか。取られたら困るしね。
「コアってダンジョン内に無いとダメなんですよね?」
「そうだよ。逆に言えば、ダンジョン内なら1階でも良いよ。
絶対に行けない場所に置くのはダメだけど」
「あっ、その方法で行きましょう!」
「えっ? どれ?」
「1階の入り口に置きましょう! しかも目立つように!」
「目立つ事で、逆に取りにくくするのか」
「そうです」
シンボルみたいにしてしまえば良いんだよ。
警備もしやすいし、人目があるから取りにくいでしょ。
「じゃあ3mくらいの細いポールを立てて、その上に設置しようか」
「手が届かない高さに設置するんですね。細いポールだから登れないし、はしごもかけられない」
「そう。細かいトゲでも生やしておこう。麻痺する毒針にしておこうか」
「良いですね」
「まぁ、それでも取ろうとする物が居るとは思うけどね。そうだ! 呪いをかけようか」
「呪い?!」
「取った者と所有者にかかる呪い。神の怒りを買うってのはどう?」
「漠然としすぎてて、すげー怖いです……。でも良さそうですね。それで行きましょう」
「1度、デモンストレーションで見せたら良いかもね」
「どうやるんです?」
「福田君が取るんだよ」
「俺に呪いが?!」
「福田君と仲間にはかからないようにするさ」
「取ったらどうなるんです?」
「そうだなぁ。私が空に顕現してこの世界全ての地を呪うとでも言おうか」
「怖い!!」
神様が呪うんだから、不作になるし、天変地異も起きそうだ。
滅びるんじゃないか?
すげー怖い。それなら誰も取らないだろうし、取っても戻されるだろう。
「さ、次は細かい事を決めようか」




