カンフラッグ
「ホアーーーーー」
うん、これはどうも威嚇しているようだ。
某RPGに出てくるカエルのように可愛いけどね。
「こいつはカンフラッグ。名前の通りカエルだ」
「あの~、福田さん。名前の通りだとカンフロッグだと思うのですが」
「えっ?! そうだっけ?」
「フラッグは旗っスよ?」
「マジで?!」
すげー勘違いしてた!
ムチャクチャ恥ずかしい!
くそ~、カエルの姿だから悪いんだ。
そう、こいつが悪い!
そういう事に決めた!
しかし、ならば、何でフラッグ?
カンフー使いなんだろ? 多分だけど。
まぁ良いか。早速従魔にしてみよう。
キフミさんに教わった通りに指を差して従魔になれ~と願ってみる。
これ、間違えて運を使ってしまいそうだな。
用心しながら願ってると、俺の指先が光りだした。
そしてその光はレーザーのようになり、カンフラッグに当たる。
「ホアーーーーー、……ほほぅ、俺を従魔にするか」
「喋った?!」
「良かろう。では俺と勝負して、勝てたら従魔になってやろうではないか」
勝負と来たか。
カンフーって無手で戦うんだよな。
俺が使える無手の技術って何があったっけ?
俺が持っている技術をステータスで確認する。
剣技(A)・盾技(A)・足捌き(あしさばき)(A)・索敵(A)・必中(A)・罠(A)・サマナー(A)
料理(A)・看破(A)・木工(A)・弓技(A)・二刀流(A)・フェイント(A)
この中で使えそうなのは、足捌き(あしさばき)と必中とフェイントくらいか。
必中なら必ず攻撃が当たるだろうし。
看破も使えるか? ウソを見破るならフェイントも見破れると思う。
まぁ別に武器を使っても良いんだけど、そうしたら殺してしまう可能性もある。
やはり無手の相手には無手で挑みたい。
ついでに魔法のオピニオンを使って、相手を鑑定する。
レベルは30か。低いけどカンフーが欲しい。
加護貰ってるから、少し習えば無手での技術が沢山覚えられるだろうしね。
「勝負する覚悟は出来たか?」
「あぁ。そっちこそ、準備はOK?」
「こちらはいつでも良い」
「では勝負しようか。皆は邪魔が入らないように警戒しといてね」
「では! さぁ、これを持つのだ!」
そう言ってカンフラッグから渡されたのは、赤と白の旗を1本づつ。
何コレ?
「それを両手で1本づつ持つのだ!
そして俺の言う通りに上げ下げするのだ。間違えたらお前の負けだ。簡単だろう?」
「カンフーは?!」
「従魔になる場合と戦闘とは別よ。怪我してもつまらないだろう?」
まさかの旗揚げゲームかよ!
赤上げて!とか言うやつだろ?!
はっ! だから、フロッグじゃなくてフラッグなのか!
理解出来たぜ! 何てバカバカしいんだ!!
個人的な事だが、腹が立ったので圧勝してやりました。
元日本人をナメるなよ!




