WINWIN
今思ったんだけど、この『赤い狼』ってチームは不思議だな。
何で女性がリーダーなんだろ?
男がリーダーが多いと思うんだけど。
後さ、どうでも良いけど、『赤い狼』ってチーム名を聞くとうどんが食べたくなる。
緑も居るのだろうか? そうなるとソバが食べたくなるな。
気になった所がさっさと聞いておこう。
後で聞くよりは良いはずだ。
それに少々気分を害した所で、こちらは雇い主だ。謝れば許してもらえるだろう。
「女性がリーダーのチームって珍しくないですか?」
「何ですか、突然の話題転換は?! さっきの話は終わりなんですか?!」
「ええ。本にするって事で決定したので」
「本っ当~、判らない依頼主ですね!
チームの話でしたね。 えっと私がリーダーなのはちょっと理由があるんですよ」
「まぁ、そうでしょうね」
「少しは乗ってくださいよ! 理由ですか?!とか言ってください!」
「理由ですか?!」
「遅いですよ! もう……。
あのですね、実は私は『サマナー』の技術を持ってるんです」
「へ~」
「あれっ?! 結構レアな技術なのに! 驚かない! 何で?!」
「いや、俺も持ってるんで」
「え~~~~っ! って私が驚いてしまった! やられた!!」
俺と同じ匂いがするって思ったら、同じ従魔使いだったのか。
そして、サマナーってレアな技術なのね。
まぁそうか。沢山居るんなら、あちこちでモンスター見るはずだよな。
「で、何でリーダーなんです?」
「あれっ? 今の答えで判りませんでした?!」
「ええ。サマナー持ってるとリーダーになれるんですか?」
「貴方、リーダーですよね?」
「ええ。一応」
「なのに判らない?」
「ええ」
「……なんなのこの人。あのですね、モンスターを従えられるってのは、それだけでかなりのアドバンテージなんですよ!
私の場合は、ケルベロスを従魔にしてます。レベルが75ですよ! 凄いでしょ?! 強いでしょ!」
「おおっ! 貴方も犬好きでしたか! 同士!!」
「犬じゃないです! ケルベロスです!」
「俺のも見せましょう! ケロ召還!」
俺はすぐにケロを呼び出した。
寝てたようで、凄く驚いてるね。わしゃわしゃ。
「そ、それは確かにケルベロス……。で、何で小さいんですか! そして何故撫ぜてるんですか?!」
「えっ? 犬は可愛がらないとダメですよ?」
「違うでしょ?! ケルベロスですよ?! 体長3mはありますよ?! 可愛がる動物じゃないです!
恐れられるモンスターですよ?!」
「え~、可愛くないのに従魔にする必要があるんですか?」
「冒険に有利になるから従魔にするんでしょ?!」
「そうなの? 俺の従魔は可愛いのばかりだよ? 見る?」
「可愛いのばかり? って事は複数居るんですよね? どれだけ居るんですか?」
「えっと~、7匹と1人です」
「7匹! ん? 1人って何ですか?」
「トムさんです。これは可愛くありません」
「トムさん? って何ですか?! 判りませんって!」
「ケンタウロスです」
「……!!」
あれっ? 絶句ですか?
可愛くないからですか?
いやぁ、さすがにトムさんを可愛いとは言えないわ。
あれは凛々しいって表現があってると思う。ゲイだけどさ。




