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ギャンブルを考える

「後は、何で競技をギャンブルにするか、だったな。

 まず、集客能力が高いからだ。国技を作っても誰も興味を持たないのなら意味が無い。

 その点、ギャンブルにすれば、他国からも人が来るだろう。

 次に国庫が潤うからだ。国技を作るだけでは出費なだけだが、ギャンブルにする事で収入が得られる。

 最後に国の活性化だ。この国は漁業と鉱業で栄えてきた。

 だが、それもマンネリ化してきている。安定はしているが変化が無いのだ。

 それにどちらも自然の物。いつ枯渇するか判らない。新たな産業を作る事も重要なのだ」

「な、なるほど。深い考えがあるんですね……」

「自国の事は自国で、と皆で色々考えたのだが良い案が出なかったのだ。

 重荷になるかもしれんが、頼まれてくれないだろうか?」


確かに重い!

こんなに色々な事を考えてたとは思わなかったよ。

どこかの国王みたいに、ギャンブルがしたーい!って思いだけで作るんだと思ってた。


「わ、判りました。出来る範囲でやらせてもらいます」

「おおっ! ありがたい!」

「それでですね、期限とかあるんですか?」

「早いに越したことは無いが、焦らせても良い案は出てこないだろう。

 自由にして貰って良い。ただ、1年後とかは勘弁してくれ」

「じゃあ、すみませんが1週間くらいは猶予をください」

「はぁ?!」


やべっ! 長すぎるか?!


「そんなに早くか?! 半年くらいでも大丈夫だぞ?」

「えっ? 早いですか?!」

「うむ。あれだけ考えても良い案が出なかったのだ」

「えっと、どれだけ考えてたんですか?」

「1年半だ」


長いっ! 1年半も考えて良いのが思いつかないとは!

いや待て、既存のギャンブルが多くて、何を考えてもカブってしまうのかもしれないね。

まぁ、その点、俺には日本の記憶があるからそこら辺を出せば良いと思ってる。


「え~、じゃあ早速良いですか?」

「何っ?! 既にアイデアがあると言うのか?!」

「ええ」


これは俺の趣味から考えた物だ。

前世の日本にもあった競技だし。これが出来るなら、セキハイムに定住しちゃうぞ!


「もふもふコンテストです!」

「も、もふもふ……コンテスト……? そ、それはどういう……?」

「犬を集めて、一番優秀な犬を決めるんです!

 毛並み、しつけ、顔つき、等々を審査して1位を決めるんです!」

「お、おう……」

「僭越ながら、私が審査委員長をしましょう!

 国中の犬を集めるのです! どうです?!」

「福田殿」

「はい!」

「もう少し真面目に考えてくれないかね?」


凄く真面目だったのに。

あっけなく却下するとは、ヒドイ!


これが却下なら、もうアイデアは無いですよ。打ち止めです。

後は日本にあったギャンブルしか出てきませんよ。

あぁ、でも日本にあるギャンブルって公営競技ばかりだったね。

公営競技って何があったっけ?

競馬か。これはカジノの町にあるからダメだろ?

後は……あっ! 競艇! 海もあるし、良いんじゃない?!

初日クリアか?! 凄いな俺!


「では競艇はどうでしょう?」

「競艇?」

「船同士を競わせるんです」

「あぁ。それはな、もう出たアイデアだ。そして却下された」

「そうなんですか?! 何故?!」

「この国は先ほども言ったように漁業と鉱業で栄えてきた。という事は、漁業ギルドと鉱業ギルドの力が強いという事だ。

 漁業側から反対が出たのだよ。漁場を荒らすな、とな」


あ~、よくある話だね。

こういうのって何処に作るって言っても文句が出るやつだ。


他に公営競技ねぇ……オートレースとか競輪?

まず自転車やオートバイを作る所から始めなきゃダメだな。

そうなると魔法道具か。コルラド国かノートルダムの領域だ。却下。

パチンコ? これは公営競技じゃないか。グレーゾーンのやつだったわ。

これも魔法道具になりそうだ。却下。

もうネタが無いよ!


「もう、競馬で良いじゃ無いですか」

「いやいや、投げないでくれよ。競馬はあるじゃないか」

「じゃあ、ばんえい競馬でもしてください」

「ばんえい競馬?」

「ソリを曳くヤツですよ。知りませんか?」

「知らないな。馬車の事か?」


ばんえい競馬は無いの?!

真っ先に作られてそうだけど?!

ポロッっと言ったのが正解だったか?!

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