会談開始
結局ネモト卿が同行する事になった。
30分もの言い争いの果てに俺が決めろと言い出したので、ジャンケンを採用したのだ。
だがここで問題発生。じゃんけんというシステム(?)が無かった!
説明したが、紙が石に勝てる理由が判らないと言われて断念。
面倒なので、魔法で代用した。
グーを土、チョキを水、パーを火、と決めたんだ。
火は水で消せる。水は大地に染みこむ。鉱物は高温で溶ける。この説明で納得してもらった。
ヌマタ卿の勝利だったのだが、ネモト卿からの物言いが。
1回で決める予定だったのだが、まだ覚え切れてないという嘘くさい言い訳で3回戦勝負に。
そしたらまたヌマタ卿の勝利。
今度は3回戦というのは3回先に勝った方が勝ちって事ですよね?との苦情が。
アホらしくなってきたので、5回先に勝った方に決定しますと言ったんだよ。
その後の格闘は知らない。
バカバカしいので、王様とおやつをしながら雑談してました。
雑談と言っても、どちらかと言えば王様がグチを零してただけだが。
「孫に会えない」「仕事がキツい」「休みが無い」等々。知らんがな。
本当は町長や領主の貴族と話をしてから来て欲しかったのだが、諦めた。
『コネクト』を使いカジノの町にネモト卿と共に帰る。
ネモト卿には家の客間を使ってもらう。
って、いつまで滞在するつもりなんだろうか?
翌日。
早速ネモト卿は話をしてくると言って、護衛も付けずに出かけようとしたので、カンキジコンビに護衛を頼んでおいた。
俺は、サガワさんにも来てる事を伝える為にホテルへ。
あっ! ネモト卿にはホテルに泊まってもらえば良かったんじゃないか?
もっと言えば、別に滞在しなくても送迎だけすれば良い気が……。
サガワさんからは電話があった。
そういえば渡されてたじゃん。忘れてたよ。
今日は無理なので明日会いましょうという事に。
夕方にネモト卿が帰ってきた。長かったなぁ。
聞けば町長と領主の貴族に会って来たらしい! 早いな!
そのせいで、明日には集まっての会談となった。
あわててサガワさんに電話して話すと、サガワさんのホテルを使う事に。
メイドにはギルドに行ってもらった。
これで明日は会談だ。
次の日。
10時に会談がスタート。
俺は居るだけ。話すのはギルドマスター。
お金の話とか大金過ぎて判らない。
権利の話とか難しすぎて判らない。
俺が理解出来たのは、2ヵ月後にダンジョンを作ればよいって事だけだ。
それまでに建物や外壁を作るらしい。
2ヶ月で作るのか。早いなぁ。
という事は、逆に言えば2ヶ月はヒマか。
どうしようかな? グランザムに行ってダンジョンにでも潜るか?
なんて考えてたら、帰り際にギルドマスターに止められた。
「福田さんに指名依頼が出ましたよ」
「は? 指名依頼? この依頼をしてる最中に?」
「いやぁ~、相手が相手なもんで。
どうせ2ヶ月はヒマでしょ? 受けてもらえないかな? お願い!」
「まぁ、ヒマですけどね。相手は誰なんです?」
「え~とね、セキハイムの王様なの……」
「はぁ?! セキハイム?! 王様?!」
「そうなの。早速向かってくれない?」
確かに馬車で行くなら、2ヶ月はギリギリだねぇ。
『コネクト』で行くからすぐだけど。
それにしても王様から依頼だと? 会った事無いのに?
俺に依頼って何だろうね?
まぁ、また魚でも仕入れるかな。




