サガワさんとの会談
サガワさんのホテルに行って、ツバキさん経由でサガワさんを呼んでもらう。
今は商談で出ているようで、夕方に家に行きますとの事だった。
夕方、サガワさんが家にやってきた。
ツバキさんが来てホテルに俺が行くんだと思ってたからビックリだ。
「どうも福田さん。なにやら良い話が聞けるようで」
「あれっ? 俺、ツバキさんに何か話しましたっけ?」
「いえいえ。小耳に挟んだんですよ。商人は耳が早くなければダメですからね」
さすがだ。
伊達にカジノの町で大手の商会をしてないね。
「実はですね、サガワさんに出資して頂きたい事案がありまして」
「そうですか。では出資致しましょう。いくら必要ですか?」
「まだ、内容を話してませんよ?!」
「福田さんが絡んでいるんですよね?」
「そうです」
「では問題ありませんね。成功する未来しか見えません」
「いえいえいえ! ちゃんと内容を聞いて検討してくださいよ!」
俺が絡んでるってだけで、引き受けられては困る。
責任重大になるじゃないか!
俺としては色んな人に丸投げで、少しだけ儲かれば良いな~程度の事なのに!
俺はサガワさんに、ギャンブル用のダンジョンを作る話をした。
サガワさんに出資して欲しいのは、建物とギャンブルに関する全てだ。
ダンジョンはカジノの町の外壁の外に出来るので、出来れば別に外壁も必要かもしれない。
「なるほど。お話は判りました。それは儲かるでしょうね。
そして、冒険者も集まるでしょう。出資しましょう」
「ありがとうございます。今度、ギルドマスターとの会合があるので出席してくださいね」
「判りました。ところで、町長はどうします?」
「町長?」
「いくら外壁の外とはいえ、多分町の中の扱いになると思います。
町長に許可を取らないといけませんよ」
「国の許可ではダメですかね?」
「おそらく、ここを治めている町長と、ここの領主、まぁ貴族ですね。その2人には話をしないといけないでしょう」
「そうなんですか。全然知りませんでした」
「国に話が通してあるなら、国の方から話が行くでしょうが。
それでも通した方が良いですよ。聞いてないとヘソを曲げられても困りますからね」
あ~、そうか。
てっきり直轄地だと思ってたわ。
それに、少なくとも町なんだから町長くらい居るよね。
でも、お偉いさんに会うのは面倒だなぁ。
よし、ギルドマスターに任せよう。
「大事な事を教えていただきありがとうございます。
ギルドマスターに会いに行かせましょう」
「おや、福田さんが行かれるのではないんですか?」
「そういう事は偉い人同士が話をすれば良いんですよ。
私は国から来る人と話をしますよ」
「国から来る人の方が偉いと思いますが……」
「いやぁ、トップを知ってるのでその直下の人の方が楽だと思うんですよ」
「まあ、それはあるかもしれませんね。ここの町長は変わってますから」
王様の直属の部下の人の方が話が早そうじゃん?
町長とかだと、大きく言えば王様の部下だけど、王様の下の貴族が雇ってるって感じじゃない?
そうすると遠すぎて、貴族には従うけど王様には……って事がありそう。
前世で言えば、水戸黄門とかさ。奉行とか黄門様に従わなかったりしてたし。
まぁ、早めに国には話をした方が良いだろう。
明日にでも城に行って王様と話をしておくかな。
誰かが派遣されてくるだろうけど、上手くすれば知り合いを送ってくれるかもしれない。
サガワさんは話が終わるとすぐに帰って行った。
今から見積もりをするらしい。気が早いな。
まだダンジョンの規模も決まってないのに。
まぁプロだ。放っておいても良い具合にしてくれるだろう。お任せお任せ。
俺はネモト卿に『明日の朝、そちらに行きます』とメールしておいた。




