ギャンブル用のダンジョン
「福田君さ、え~とグランザム?でダンジョンを1つ潰したよね」
「はい。潰しましたね」
「アレの代わりを1つ作るんだけどさ、カジノの町の横に作らないか?」
「えっ? 町の横にですか?! 大丈夫なんですか、それ?」
「理に適ってるから大丈夫。大森林側に作るから」
「あぁ、魔力を吸収する為、でしたっけ。って成長しませんか?!」
「今はもう大分と大森林の魔力も減ったから問題無いよ」
それなら良いけどさ。
でも、ダンジョンを作るくらいで、冒険者が来るかなぁ。
ある程度は来ると思うけどさ、そこまで需要は伸びない気がする。
だって、ギャンブルの町だし。ダンジョンで稼ぐなんて安定した事には興味無さそう。
「で、ダンジョンを作ってどうするんです?」
「簡単だよ。それをギャンブルにすればいい」
「はぁ?」
俺は簡単な説明を仏様から受けた。
なるほど、面白そうだ。
後は俺が骨組みを作って、ギルドに丸投げすれば良い。
うまく行けば、かなりの収益になるんじゃないか?
話がまとまったら仏様に連絡するという事になったので、仏様は帰っていった。
次からは普通に来て下さい。コスプレも必要ありません。
翌日、話をギルドに持っていく。
「いらっしゃい、福田さん。今日はどんなアイデアです?」
「やっと凄いのが出来ましたよ」
「ほほう、大した自信ですね。伺いましょう」
何であっちがお願いしてきたのに、上から目線なんだろうか?
まぁ、良いけどさ。
「まず、大森林と町との間にダンジョンを作ります」
「はぁ?! ダンジョンを作る?! 何言ってんの?!」
「これは秘密の話なんですけど、ある方法でダンジョンコアを保存すると、新しいダンジョンが作れるんですよ」
「マ、マジで?!」
「ええ、マジです」
「そそそそそそ、それで、どうするのさ?! 冒険者に攻略させるの?」
「そんなもったいない使い方はしませんよ。攻略されたら終わりじゃないですか」
「た、確かにそうだね。じゃあ、どうするのさ?」
「そのダンジョンの決まった階数を冒険者に攻略させるのですよ。
で、その攻略タイムを賭けさせるんです。勿論1位で攻略した冒険者には賞金も出るようにします。
南でドッグレースしてるでしょ? あれの冒険者版だと思ってください」
「なるほど。攻略タイムを競うレースという事か」
「そうです。で、1階は青色の冒険者だけが参加出来るとすれば、色々なランクの冒険者が集まるでしょ?」
「2階までは緑、3階までは黄緑といった感じだね」
「そうです。戦いの様子も見れるようにすれば、かなり盛り上がると思うのですよ」
「なるほど。それを見て感化されれば、冒険者も増える可能性があるね!」
そこまでは考えてなかったな。
確かに、それで冒険者が儲かるとなれば、なろうと思う人も増えるかも。
「でも、そんなに都合良くダンジョンって作れるの?」
「作る人間にはダンジョンマスターの権限が与えられるので、ある程度は自由に作れるハズですよ。
その辺りはサガワさんにでもやってもらえば、上手い感じに作ってくれると思いますけど」
「そこに私も参加すれば良いんだね?」
「そうです。冒険者の事は冒険者の方が詳しいですから。
ギャンブルの基礎部分や建物はサガワさんが担当。ダンジョンの構成はエザキさんが担当。
ダンジョン作成は俺がやりましょう。治安維持や警備は国に頼めば大丈夫じゃないですか?」
「ふむふむ……。面白そうだね」
「じゃあ、国に話をするのはギルドマスターであるエザキさんに任せますよ。
日程が決まったら教えてください。サガワさんと来ますので」
「えっ?! そこは福田さんが……」
「最初に言われましたよね? アイデアが欲しいって。
アイデアは出しました。出した手前、ダンジョン作成とサガワさんを呼ぶくらいはしますよ。
でも交渉とかはそちらの仕事ですよね?
じゃあ、帰ります。早めに日程は教えてくださいね?」
「ちょっと待って! 福田さん?!」
上から目線じゃなければ、もう少しは手伝ったけどなぁ。
さて、サガワさんにでも話を持っていきますかね。




