またダンジョン
翌日、俺はダンジョンに行くと皆に伝えた。
当然のように、カンダさんとキジマさん(カンキジコンビ)は一緒に来る事に。
ギルドは面倒なので、もう専属契約をしてしまった。
コンビで月に50万払う事にしといた。
多いです!と反対されたが、今は800万もあるんだ。16ヶ月は持つ。
足りなくなったら、ギャンブルでもしに行けばいいだろう。
それに、前世で考えれば月に1人25万なんて普通じゃないか?
保障が無い分、安いと言われても不思議じゃない。しかも命の危険がある仕事だよ?
1人50万でも安いかもしれない……と言ったら二人で50万で良いです!と言われたので決定です。
この世界は、後払いが当然だそうだが、俺は先払いでいきたい。
何故なら俺が忘れるから!
「先払いは危険ですよ? 貰った次の日に逃げるかもしれませんよ?」
「信用してるから大丈夫。それとも逃げる?」
「安定収入はありがたいので、逃げませんよ」
「そうだよね~。まあ逃げたら、運が底辺まで下がるように呪うけどさ(笑)」
な~んて冗談を言ったら青い顔で、絶対に逃げません!!と言ってきた。
冗談だよ? 出来ないよ? 多分。
問題はコタニさん。ダンジョンにはついて来るんだけど、、、
護衛に就職してもらっていたが、給料やボーナスについて全く決めてなかった……。
なので、二人と同じで良いかな?と聞いたら、
「二人とはランクが違うっス! もっと少なくてOKっス!」
と言ってきたので、15万という事になった。
まあ、二人には無いボーナス制度もあるしね。ランクが上がったら給料も上げればいいか。
給料問題も片がついた。
早速ダンジョンに! とはならなかった…。
何故なら、コタニさんの装備が無かったからだ。
そういえば、武器を構えてるのを見た事が無かった。
「武具はカジノの町で就職するのに不要なので、売ったっス!」
「そのお金はどうしたの?」
「……ギャンブルに……」
「……」
その金で資格を取るとかしろよ!
就職に有利になるよ? 前世では。
買いに行くにも、この村ではイマイチ良い物が無いらしい。
しょうがないので、俺のアイテムボックスに死蔵してた物を全部プレゼントした。
片手剣・小さい盾・鋼の籠手・身代わりの指輪
この4つだ。
身代わりの指輪を渡した時は、また、プロポーズですか?!とクネクネしてた。ちゃうわ。
う~ん、可愛いけどバカなんだよなぁ……。なんか恋愛感情が出てこないというか……。
こうして、やっとダンジョンに到着。
久々だし、コタニさんは新しい武器という事で、1階でスライム相手に練習。
昼までに20匹倒して2階に移動した。
階段で昼飯を取って、いよいよ4階に向かう。
2階からのショートカットの場所は覚えていたし、狼は1匹も出てこなかったので簡単に到着した。
しかし、ここで問題が発生したのだ!
いや、これは予想出来た事態だったのだが……。
「4階に行くのですか?」
「そうだよ?」
「む・・・」
「む?」
「む~~~~~し~~~~~!! 虫じゃないですか! 虫ですよ?! 虫!!」
「どうしたんスか? この人」
「コタニさんは知らなかったね。キジマさんは虫が嫌いなんだよ。」
「嫌い?! そんなレベルの話じゃないですよ?! 虫ですよ?! 人類の天敵ですよ?!」
「いやいや、違うよ?」
「危険ですよ?! だって天敵ですもん!! ヤバいですって!! 危険が危ないです!!」
「言葉までおかしくなってきたっスよ?!」
「コタニさんなら判るよね?! 同じ女性だもん!! 虫だよ?! 危険だよね?! そうだよね?!」
「いや、私はそこまで嫌いってほどじゃないっスけど……」
「そんな訳ないわ?! 虫よ?! 虫虫虫!!!」
「そんなに揺すらないでください! たかが虫じゃないっスか~。」
「た・か・が~?!! それは私に対する挑戦ね?! 挑戦なのね!!」
「あわわわ……助けてくださいっス!!」
「まあまあキジマさん、落ち着いて。どうどう」
う~ん、どうしたものか。
まぁ、行くんだけどね。行かなきゃ5階に着けないし。
普通は俺が護衛対象なので列の真ん中なのだが、ここではキジマさんを真ん中に置く事にした。
先頭から、カンダさん→俺→キジマさん→コタニさん、の順。
護衛ってなんだろうね?




