一夫多妻
「さて福田君。誰を残すかね?」
「え~と、そうですね……」
俺のパーティーは当然だろ?
それから~、ま、ムカイ団長は残すか。
モリタ君も残しておこうか。
あの国では強くないと生き残れないだろうしな。
院長? 勿論残さないよ!
そんな所かな?
「えっと、カンダさん・キジマさん・コタニさん・ナグラさんは当然残します。
それ以外では、ムカイ団長とコルラド国のモリタ君。以上の6人ですね」
「それと福田君本人だな?」
「あっ、そうですね。忘れてました」
「では7人は残す事とする。君のパーティー以外には、説明の為にカーリーに行ってもらおう」
「え~?! 残す人の所にも、私が説明しに行くの~?!」
「そうだ。そこまでサービスしたまえ」
「ぶ~! も~、シヴァのせいだからね!! しばらく晩飯抜きだから!!」
「えっ?! 勘弁してくれ!!」
いやいや、晩飯抜きくらいで済むならありがたいと思いますよ?
ムチャクチャ迷惑かけてますからね!
「ついでに言うが、お前、減俸3ヶ月だからな? それと有給没収」
「ヒドい!!」
「お前がヒドい事したんだろうが!!」
「そうだそうだ!!」
シヴァ神には味方がいないようだ。
当たり前だけどね。
しょうがない、俺が少し助けようか。
「減俸3ヶ月よりも、仏様の補助をさせたらどうでしょう?」
「良いね、それ!」
「被害を受けた福田君が言うならそうしよう」
「ええええっ!! そっちの方がヒドイじゃん!!」
えっ? そうなの?
俺は仲良さそうな人と一緒に仕事すれば、少しは楽なんじゃないかなと思っただけなんだが。
「あいつはさぁ、仕事になると凄~く真面目なんだよ!
真面目にやり過ぎてて、未だに地球しか担当してないんだよ?!」
「はぁ。それのどこがヒドイんですか?」
「真面目なだけじゃなく、妥協しないんだ!
だから、一つの事案に対して、何時間でも向かい合うんだよ?!
ムチャクチャ疲れるんだ!」
「アナタが普段からいい加減だからでしょ!
仏の下で勉強してきなさい! 仏の下だから修行かな?」
「カーリー! 上手い事言ってるんじゃないよ! シャレにならないんだからね!」
「頑張りなさい。
福田君、良い事言ったので、アナタにも加護をあげるね!
良いでしょう、閻魔様?」
「う~ん、まぁ……良いだろう。許可しよう」
えっ? カーリーさんの加護も付くの?!
俺、加護が多すぎないか?
「じゃあ、福田君、握手」
「あ、はい」
カーリー神と握手した瞬間、雷に打たれたような感覚を感じた。
別に、惚れたとか、そういう比喩的な表現じゃないよ?
どっちかと言えば、うる★やつらでラ○の電撃を受けた感じ。
そう、ハンパない衝撃だった!!
「おい、カーリー!! お前!!」
「何ですか? 閻魔様」
「その衝撃、加護を弱めてないだろ!」
「ええ。そうですよ? 弱めて渡すのは、疲れるんだもん」
え~と、って事は普通の加護って事?
皆と同じの弱めた加護じゃ無いのか?!
「お前、ズルイぞ!」
「うるさいわね! そんなに文句言うなら、ドゥルガーとパールヴァティーにもバラすわよ!」
「すみません。文句言いません。許してください」
「閻魔様、ドゥルガーとパールヴァティーって誰ですか?」
「シヴァの他の嫁さんだ」
うわっ、一夫多妻だったのか。
それにしても、チクられて困るくらい怖い神様なのかな?
だとすれば会いたくないな。
こういう時、ラノベの主人公が羨ましいね。
知識チート持って無くても、経験してたとかで色んな事知ってるから。




