シヴァ
シヴァって確か、創造神であり破壊神でもあるんだよね?
日本では某漫画で破壊神のイメージが強いと思うけど。
現に今、仏様が手作りした雲を壊したし。
もしかして、創造神であり破壊神でもあるって言うと凄い神に聞こえるけどさ……。
作って壊すって言い換えると、失敗が多いような気がする。
そして今の行動。実は雑な性格してるんじゃないだろうか?
「何やってんだ? コスプレ? そういえば、最近地球って所の深夜ドラマにハマってるって言ってたな」
「今、大事な事をやってるんだから、ちょっと黙っててくれよ!」
「大事な事? ん? 何か映ってるな。ん~~、場所はスフィアか。おわっ! 誰だ?」
「今頃気づいたのか?! お告げを出してるんだよ!」
「へ~、珍しい。最近やってなかったじゃんか。あっ、判った。その深夜ドラマの影響だろ?」
「うるさいな!」
「お前そういうの好きだもんな~。で、これは誰?」
「閻魔様に任務を与えられている者だ。邪魔すると閻魔様に怒られるぞ」
「マジか! あ、そういえば、そんな話を聞いたなぁ」
仲良しですね。
で、俺はもう帰っても良いですかね?
後で連絡もらえればOKなんで。
「あ~思い出したわ! 珍しく閻魔様が加護を与えた人間だろ!」
「そうだよ」
「お~そうかそうか。じゃ、俺も自己紹介しとかないとな」
「何でだよ!」
「気にするなって。え~と、俺はシヴァ。一応創造神だ。よろしくな!」
「よろしくお願いします。福田哲司です」
「おう。って何でポカンとしてんだよ?」
「いえ、さっきからお告げを待ってるんですが、入れ替わりに人が来て邪魔するので」
「……お前、地球出身だろ?」
「はい、そうですけど」
「俺の名前を聞いても変わらないヤツって珍しいな」
そう言われても、ただこの状況に呆れてるだけなんですけどね。
早くお告げとやらを聞いて帰りたいんです。
「よし、気に入った! 俺もお前に加護をやろう!」
「「はぁ?!」」
「ちょっとじっとしてろよ」
「「ちょっと待って!」」
「そ~れ!」
俺と仏様が止めてるのに、無視して話を進めるシヴァ神。
俺は、突然の雷に打たれた! が、怪我も火傷もしてない。
「どれどれ? よし、入ったな」
「ちょ、おま、何やってんの?!」
「いや、閻魔様が認めるくらいの男だろ? ならいいじゃねぇか」
「そういう問題じゃないんだよ!」
「だってよ~、スフィアだろ? ダンジョンとかあるじゃん。武力高い方が死なないじゃん?」
「そうだけど! 福田君の自主性は無視か?!」
「貰えるもんは貰っとけば良いだろ? 生かすも殺すも本人次第だしさ」
「お前……閻魔様に報告する! 今すぐする!」
「えっ?! ちょっと待とうか。ほら、お告げとかあるんだろ? お仕事お仕事」
「い~や、今すぐ報告だ! で、怒られろ! もう封印されてしまえ!」
「いやいやいや、勘弁してくれって! ほら、今日も飲みに行こうぜ。オゴるからさ。な?」
「報告してからな。
福田君、ミノタウロスのダンジョンに行き、山の頂上に登るが良い。
そこにある大木に触れてから『センス』の魔法を使うと、届く範囲が広がるぞ。
これでもっと勇者をサポートするのだ。じゃあな」
「いやいや、もっと親切丁寧に教えようよ! 福田君、ポカーンとしたままじゃん!」
「もうお告げは終わった! 閻魔様の所に行くぞ!」
「待って、待てって! ちょ……」
消えてしまった。
結局はミノタウロスのダンジョンの頂上に行けって事だけか。
そして、よく判らないまま、シヴァ神の加護をもらってしまった。
どういう物なのか、教えて行けよ!!
武力が高くなるって事だけは、話の流れで判ったんだけどさ。




