褒美の目録
再度改めて読み返してみる。
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1.ダンジョンへの立ち入り許可
グランザム帝国内にあるダンジョンへの出入りの自由を認める。
証書を2と共に渡す。
2.グランザム帝国内のダンジョンの場所
グランザム帝国内のダンジョンの場所を記した地図を作成し渡す。
3.家
キッチン・トイレ・風呂・庭・部屋が3つ。
部屋は3m四方とする。
庭は馬車の置ける大きさとする。
風呂は2m四方とする。
なお、馬が2頭居るので、馬小屋も付属する。
ただし、条件に合う物が無いので、建築する。
4.魔法道具
10品を城の宝物庫より譲渡する。
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え~と、何か変だぞ?
1と2は前回の報酬だな。
それと、家。こちらは要望通りだ。
馬の事まで考えて馬小屋まで付けてくれた。これはありがたい。
新築になるみたいだけど、特に問題は無いね。
問題があるのは、魔法道具だよ!
適当に見繕って頂戴って言ったよね?!
何で10品も?! しかも何故宝物庫から?!
町の魔法道具屋で買える物を考えてたのに!
つまりはこれを選べって事か……。
「魔法道具の件ですね?」
「そうだ」
「そちらで見繕って下さいって言いましたよね?」
「確かに。だが、もし持っている物と同じだったら困るだろ?
選択出来る方が良いとは思わぬか?」
「そうですけど、何で宝物庫から何ですか?!
普通の町の魔法道具屋で良いでしょう?!」
「国にも威信という物があるのだよ。
多大な功績を残した者に、町の魔法道具屋から買い与えるようでは問題だ」
「バレませんって!」
「いや、見つかる見つからないの問題ではないのだ。
宝物庫から出して与えたという事実が大事なのだよ」
めんどくせっ!
国って、めんどくせっ!
当人同士が納得なら、それで良いだろうに。
だが、そこはどうしても譲れない部分なんだろうな。
しょうがない、安そうで小さいのを10個ほど貰うとしよう。
「そうそう、家だがな。そこにも書いているが建築中だ」
「あ、はい」
「住所は宰相に聞いてくれ」
「判りました。後で行ってみます」
「うむ。では宝物庫に行くか」
「あれっ? 王様が案内するんですか?」
「あそこの鍵は自分しか持っていないからな」
王様の後ろに付いて、城の中を進む事10分。
扉の前に武装した兵士の居る場所に到着した。
王様は首にかけてたネックレスを外して、扉に開いている小さな穴にはめ込んだ。
鍵って言うから普通の鍵だと思ってたのに、それが認証方法でしたか!
「この扉も魔法道具でな。これでしか開かないのだよ」
そう言われて入った部屋の中には、金銀財宝が山のように!
なんて事は無かった。
日光も入らない真っ暗な部屋。
魔法道具で明るくしてもらうと、部屋の中は鉄で出来たタンスが沢山。
ガラスケースとかは?
よく考えてみれば、そりゃそうだ。
窓は侵入される恐れがあるし、骨董品なんかは日光に弱いはず。
誰かに見せる訳でも無いから、ガラスケースなんかに入れる必要が無い。
鉄タンス(金庫?)に入れておけば、火事でも大丈夫。
現金なんかある訳が無い。
小説とかによくある宝物庫をイメージしてたぜ。
やっぱりファンタジーはファンタジーなんだね。現実的だよな。




