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グランザムでの謁見

謁見の準備が出来たようなので、謁見の間に案内された。

よく考えたら初めてだな、この城の謁見の間は。

普通は他国の人間が王様に会うのは、この部屋なんだろうけど。


扉を開けられると、赤い絨毯の先に王様が座っていた。

赤い絨毯の左右には、いつものように貴族(?)の人達が並んでいた。

王様の横には文官のような人が立っていた。

どうやら、直接王様と話をする事は出来ないようで、王様が文官に指示を出してる。


「福田殿とその仲間よ、中央まで来るように!」


言われた通りに中央まで進む。

そこで立っていると、横の貴族(?)からお怒りの声が。


「キサマ! 礼の形を取らないとは無礼であろう!」


そう言われても、どうすれば良いのか。

前みたいに方膝を付いて、お受けしますとだけ言えば良いのか?

だが、文官から援護射撃が入った。まぁ、王様の指示だろうが。


「福田殿は重大任務を王より承っているのだ!

 礼の形を取らなければならないのは、我々の方なのだぞ!」

「し、しかし、王よ!」

「黙れ!」


とうとう、王様が声を出した。

これには貴族(?)の人達も驚いたようで、慌てて全員が礼の形を取る。


「福田殿、そのままで結構。報告をお願いしたい」

「は、はい」

「早い帰還だったが、どうだったのだ」

「王様、直接お話をされるのはお止めください!」

「問題無い。それだけ重大な事なのだ。こちらも礼儀を尽くさねばなるまい」

「ははっ! 出過ぎた意見をお許しを」

「良い。では福田殿、報告を」

「はい」


確かに重大な話だ。

この国の結界に係わる事だもんね。

しかし、どこまで説明して良いのだろうか?

地下にあるダンジョンとか喋って良いのかな?

ま、詳しく話さなくて良いか。聞かれたら言う形で。


「ダンジョンコアを無事回収してきました」

「おおっ! 真か!!」

「はい。ここに」


回収したダンジョンコアをマジックボックスから出す。

すると文官の人が受け取りに来たので渡すと、布に包んで王様の所に持って行った。


「うむ、確かに。だが、一応確認させてもらう。おい! 宮廷魔法士を呼べ!」


すると奥の扉から、いかにも魔法使いです!という姿の初老の男が出てきた。

黒いローブを着て、杖を持っている。

どうやらあれが宮廷魔法士らしい。


「来たか。これを確認して欲しい」

「ははっ! ……こ、これは、かなり発達したダンジョンのコアですな!」

「どれくらいか判るか?」

「この魔力量からすると、少なくとも100階はあるでしょう。も、もしや!!」

「うむ。そうだ。だが、それ以上は言うなよ」

「は、ははぁ!」


ダンジョンコアを調べるには魔力量を見るのか。

そういえば、サイラス国がやらかした時に、ダンジョンコアに魔力が保存出来るって聞いたな。

現在は攻略したばかりなので、満タンになってるって事なんだろう。

総量が多いほど、発達したダンジョンって事なんだね。


で、この宮廷魔法士の人は、この城のダンジョンの事を知ってるっぽいな。

多分、貴族の中には知らない人も居るのだろう。

だから口止めしたんだと思う。


「どうやら間違い無いようだ。よくやってくれた、福田殿!」

「え~と、ありがたき幸せ……」

「いや、そんな言葉は使わなくてよいぞ。では、褒美を与えよう。

 宰相よ、約束の物を渡せ」

「ははっ!」


横に居た文官の人は宰相だったのか。

王様の次に偉い人じゃないか! 多分。


宰相に手渡されたのは、物ではなく、目録だった。

中は確認してないが、最初に決めた通りの事が書かれてるのだろう。

そして、渡される時にこっそりと「後で王の私室まで来てください」と言われた。

契約した時の、細かい部分の話があるんだろうな。


「福田殿、本当にこの度は大儀であった! これにて、謁見は終了する!」


謁見の間を出ると、そのまま執事さんに王の私室に案内された。

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