ラスボス戦
カンダさんのお陰で、120階を突破する事が出来た。
ありがとうカンダさん、貴方の事は忘れないよ。
えっ? 死んでないって?
とうとう到着した。121階だ!
ここには中ボスは居ない。ラスボスだけが居る。
これを倒せば、ダンジョンコアが手に入るはずだ。
前に見たダンジョンではダンジョンコアが別室に隠されてたが、ここはちゃんと奥にある。
何故なら、マップにしっかりと載っているからだ。
ダンジョンコアは、マップに金色の点として表示されている。
その前の部屋に黒い点があるので、これがラスボスなんだろう。
121階は、降りてすぐにデカい扉がある。
トムさんが居るダンジョンもこんなのだったなぁ。
扉の先がラスボスの居る部屋になっていて、その先の部屋にコアがある。
扉の前に立つと、自動で観音開きの扉が開いた。
さあ、ラスボス戦だ!!
まさかの、北海道フェアが続いていた。
そこに居たのはリス。エゾリスなんだろう。
ちょこんと地面の上に立っている。
「なんだ、リスじゃないですか」
「いやいやカンダさん。見た目はそうだけど、一応ラスボスだから警戒した方が……」
「ふふ、大丈夫ですよ。撫ぜてやる! ルールルルル……」
おい! アンタはダ○ジョーか?!
それ、ワイヤーで吊るされたぬいぐるみが飛んでくるパターンだぞ!
って想像通り、リスはカンダさんに飛び掛ってきた。
しょうがない、俺もノリますか。
「何だと! キラーリスめ、倒してやる!」
ナグラさんも元ネタを知ってるのか、一緒にノッてきた。
そうなると、ナグラさんはムラ○キのポジションか?
平ら胸って呼ばれるぞ?
あっ、もう男が居ないので金髪キノコ頭ボクロが居ない!
って、遊んでる場合じゃない!
このリス、レベル75で俺達より強いんだぞ!
実際にはレベル115らしいんだが、正しいショートカットをすると弱体化するんだって書いてあった。
出来ればもっと下がって欲しかったが、ギリギリ倒せそうなレベルだ。
もしかして弱体化って、俺達のレベルより少し上になるのかも。
慌てて『楽に倒せますように!』と運を使って倒した。
油断して怪我したカンダさんにはエリクサーを使う。
あのリス、毒まで持ってたわ。怖い。
ついでだけど、全員のレベルが75に上がったよ。
ついにダンジョンコアを手に入れたぞ!
ダンジョンコアを持っている者は、このダンジョンから出るまではダンジョンマスターの権利を有するらしい。
俺はその権限を使って、1階の入り口までワープした。
うん、ちゃんと鉄格子の前だ。
ダンジョンマスターの権利を使って北海道フェアを止めさせようと思ったが、廃棄されるダンジョンだ。
どうでも良いか。
ある意味楽しめたしね。
前と同じ様に、鉄格子を叩いて兵士を呼ぶ。
すると今回は兵士ではなく、執事の人がやってきた。
ダンジョンから出してもらい、そのまま王の私室へ。
かと思ったら、今回はまず客室へ通された。
不思議に思いながらも、執事の人に聞いてみた。
「王様に話がしたいんですけど」
「はい。今、謁見の準備をしていますので、少々お待ちください」
謁見?!
マジで?! 聞いてないよ~!
まぁ、国の根本に係わるような事だから謁見ってのも判るけどさ、俺としては気軽な方が良かったのだが……。




