王の決定
2日後、王様の呼び出しがあったので城に行く事に。
この2日間、街中で色々買い物したけど、魔法道具はあまり無かった。
魔法道具の開発が盛んなのは、実はコルラド国だという事だったのだ!
さすが変態の国。極めようとする人間が多いようだ。
魔法道具は欲しいが、あの国に行くのはなぁ……。
何か良い方法を考えよう。
食べ物は美味しかった!
ダンジョンに頼らないだけあって、色々と工夫がされている。
豆腐まであったのには驚いた。
ダンジョンに行けばドロップするかもしれないのに、自力で開発されてる事に感動したよ。
逆に武具は少なかったな。
やはり昔にダンジョンでのドロップ品に頼りすぎてたのだろう。
鍛冶職人が少ないのだ。
ここに居る鍛冶職人で優秀な人は、ほとんどがセキハイム出身だった。
さすが漁業と鉱業の国。
さて、城に行くと、幾分かやつれたっぽい王様と私室で対面する。
結論を出すのに、相当悩んだんだろうな。
「福田殿、結論が出たよ」
「そうですか。どうします?」
「あのダンジョンは潰す事にした」
「武具は諦めたんですね?」
「あぁ。もう戦争するような時代でもないしな」
「そうですね。戦争で国を広げるなんて下策ですからね」
「……厳しい意見をありがとう。まぁ、その通りなんだが。
ここで、一つ福田殿には約束して欲しい事がある」
「何でしょう?」
「ダンジョンがあった事もそうだが、潰した事もトップシークレットでお願いしたい」
そりゃそうだ。
ここで武具を用意してたんだもん。
用意出来なくなったなんて広まったら、戦争の火種になりかねない。
今までアチコチにケンカを売ってた国だから、逆に狙われる可能性もある。
「大丈夫ですよ。言いません」
「そうか、ありがとう。
それでだ、ダンジョンの事なのだが……」
「あぁ、潰すのに協力しろって事ですね?」
「……その通りだ。今度は最下層まで行ってもらわなければならない。大丈夫だろうか?」
「う~ん、多分大丈夫ですよ」
「……何故、そこまで言い切れるのかね?」
「はっはっは、秘密です」
「……まぁ、言わぬだろうな。判っていた」
言う訳無いじゃん、タブレットの事なんて。
言ったら絶対に洩れるもん。
そしたら狙ってくるバカが居るに決まってるんだから。
それに、これがあればダンジョンを潰さなくてもよくなる。
グランザム帝国としては、絶対に欲しい物だ。
俺VS帝国って戦いになりかねない。
ま、勝つ自信はあるけどさ。人殺しはしたくない。
「そんな事よりも、俺に依頼って事で良いんですね?」
「そうだ」
「では条件を決めましょう。ちょっと待って下さいよ」
俺はヒヨを呼び出した。
ヒヨとキジマさんが居れば、問題無く契約できるだろう。
自分で言うのもアレだけど、俺が決めると何か忘れる可能性があるからね。
「交渉は、俺の従魔のヒヨとキジマさんがしますので」
「そ、そうか。わ、判った」
キジマさんはともかく、ヒヨが担当すると言われて動揺してる。
見た目は猫だしな。
「では。依頼はダンジョンの停止ですね? ダンジョンコアはどういたしますか?」
「持ち帰ってもらいたい」
「では、ダンジョンコアの権利はそちらの物とします。期限はありますか?」
「なるべく早い方が良いが、せかすつもりはない」
「判りました。なるべく急ぐという事で」
「途中のモンスターのドロップ品はどうするにゃ?」
「喋った?! あ~、えっと、そうだな、出来れば買い取らせてもらいたい」
「判ったにゃ。こっちで要らない物はそちらに売る事にするにゃ」
ドロップ品の事まで考えて無かったわ。
さすがヒヨ。やるじゃないか。後で遊んであげよう。




