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グランザム帝国の秘密

「実はこの城の地下にはダンジョンがあるのだ」

「ちょ、ちょっと! そんな事、他国の人間に話して良いんですか?!」

「城の地下にダンジョンがある事を知られた所で問題無い。

 それに各国の王は知っている事実だ」

「そ、そうですか」

「続きを話すぞ。

 多分知っていると思うから言うが、各国の王都は都民から魔力を吸っている。

 と言っても、1日魔力1だけだがな。

 だが、地下にダンジョンがあるせいで、思うように吸収出来ないのだ。

 そうだな、半分くらいしか手に入らないと思ってもらえば良いだろう」

「吸うのを止めるという考えは無いのですか?」

「……福田殿は、魔力を吸うのはオークションの為だけと思ってるのか?」

「違うのですか?」

「吸った魔力は王都の防衛に使っているのだよ。見えない壁を作っていると思ってもらえば良い。

 どこの国でもやっているぞ」


何と! 王都には結界があったのか!

そりゃオークションの為だけに集めるのは、今思えば変だよな。

あれっ? でも普通に魔法が使えたけど?


「その壁はどういう物なのですか?」

「魔法攻撃を防御する。ノートルダムの禁忌魔法の一つだ」

「でも魔法は使えますよ?」

「外部から外部、内部から内部、という場合には問題無い。

 外部から内部に向けた時に防御するのだ」

「しかし『コネクト』はどうなってるのですか?」

「『門のシール』があるだろ? アレを設置する事で結界に穴を開け通過出来るようになっているのだ」


そういう仕組みなのね。

『門のシール』は転移先を決める為でもあり、結界を突破する為の印でもあるのか。

それにしても、こんな所でまた禁忌魔法を知ってしまった。

ホウズキさんは知ってるんだろうなぁ。

今度聞いてみよう。

個人で自分の周りに展開出来れば、戦闘ではかなり有利だ。

だから禁忌魔法なんだろうけど。


「話を戻すと、維持するのに必要な魔力は今の所足りているが、この先は判らない。

 ダンジョンが魔力を集める邪魔をしている事は判っているので、どうにかしたいのだ」

「それは判りましたが、俺に何の関係が?」

「それはここのダンジョンの仕組みに関係している。

 福田殿はミノタウロスのダンジョンは行った事があるか?」

「あります」

「ならば話が早い。アレと同じで内部が迷路になっており、時間で正解ルートが変わるのだ」

「はぁ」

「しかも1日に3度も変わる。仕掛けられている罠も凶悪な物ばかり。

 そのせいで、今まで誰も突破した者が居ないのだ」

「つまり、突破するのは命を賭けたギャンブルのようなものだと……」

「そういう事だ。だから強運の持ち主の福田殿に頼みたいのだ!

 昔、先祖が何度も挑戦したが、全て全滅で終わっている。

 それに怒って、ダンジョン禁止令を出したほどだ」


おっと、意外な内情を聞いてしまった。

この国でダンジョンがダメな理由の真実。

なかなか考えられた政策だなぁと思ってたが、実は八つ当たりのようなものだったのか……。


「そのダンジョンを攻略しろという事ですか?」

「別に攻略までしなくとも良い。

 魔力を集める邪魔をしている物を排除してもらえればOKだ」

「なるほど。ダンジョンの事はどれくらい判ってるのですか?」

「3階以上ある事は判っている。後はモンスターの分布やどんな罠があるかくらいだな」

「それらの情報は……」

「勿論全て渡す。どうだ、やってくれないか?」


多分だが、タブレットを見れば全て判るだろう。

見てればマップが変わっても進む事が出来る。

レベルが高いモンスターが居るなら、運を使えば回避出来るし。

ここでこの国に恩を売っておくのも悪くないか。

上手く行けば、ダンジョンが解禁になるかもしれないしな。

いや、解禁にならなくても、俺達だけは入れるようにしてもらえば良い。

特に危険は無いな。


俺は1分程悩んだ振りをしてから、引き受ける事にした。

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