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名指し勝負

本日2話目です。

試合を見てて判った。

ウエダさんは記憶力はまあまあ良い。

だが、ポーカーフェイスがヘタ!!

最初は作戦だと思ったよ?露骨に顔に出てるんだもん!

他のプレイヤーもあまりに露骨なので、疑ってたんだけど……。

最後の方ではカモ扱いにしてたな。

まあ弁護するならば、全員からジャックと呼ばれてたのでその動揺もあったかもしれない。

しか~し! 認めてない、認めてないが仮にも俺を師匠と呼ぶのであれば、あんな弟子ではダメだ!!

帰ったら特訓だな……。


さ、ウエダさんを回収して帰ろうか、と席を立つと部屋の出口に男が立ちふさがった。


「おい、お前、東で『帝王』って呼ばれてるヤツだろ?」


その言葉に部屋中がザワザワし始める。

何だコイツ。ニヤニヤしてるし。なかなか無礼なヤツだな。


「周りが勝手に呼んでるだけだけどな。で、何の用だよ?」

「帝王なんて名乗ってイキがってんじゃねぇぞ?」


出たよ。人の話を聞かないヤツ!

名乗って無いって言ってるのが聞こえないのかね? 難聴?


「名乗ってないって言ったの、聞こえなかったのか?」

「お前、俺たちと勝負しろよ」


出た! お決まりの『勝負しろ』!

大抵負けフラグなんだがなぁ。

その前に指摘してやろう。


「やっぱ聞こえてないのかな。病院に行く事をオススメするね」

「『帝王』が逃げたりしないよなぁ」


すげぇ。ここまで聞こえないなんて!

こんなに聞こえないのにギャンブルするってバカなのかな?


「何で勝負するんだよ?」

「インディアンポーカーの店だぜ? インディアンポーカーに決まってるだろ?!」


お! 今度は聞こえたようだ。

つまり自分に都合の悪い事は聞こえないって事か。

それは耳が悪いんじゃなくて、脳に問題がありそうだな……。


「OK。俺この後用事があるから、さっさとやろうぜ」

「強がってやれるのも今の内だ! 変な目をせずにコッチに来な!」


だって脳障害がある人ですよ? 可哀相な目で見てしまうじゃないですか。


そいつらに付いて試合場に行くと、丁度ウエダさんと出合った。

丁度良いので、カードを返してもらった。このカードで戦うとしよう。

ウエダさん曰く、残金は15万だそうだ。

経緯を説明して、別室で待っていて欲しいと伝えた。


テーブルに着くと、俺以外は仲間のようだ。つまり3対1で戦うようなもの。

実はこのインディアンポーカー、インチキがしやすい。

仲間が居れば、自分のカードが強いかどうか判るからだ。

ターゲットは俺として、例えとして他の3人をABCとする。

BとCは俺とAのカードが判る。何らかの方法で「俺>A」か「俺<A」を教えれば良いのだ。

これを3人がすれば、誰が俺に勝てるのかが簡単に把握出来る。

後は1分の間に俺が降りないように誘導するだけ。


なので、普通ならもう1人コチラの仲間を入れて2対2にするべきなのだ。

ま、俺には究極のインチキとも言える『運』という仲間がいるんだけどね。


「まさかここまで来て止めるとは言わねぇよなぁ?」

「言わないよ?」


俺がグルだって判ってる事に気づいたようだ。釘を刺してきた。

止める訳無いじゃん。

グルになってインチキしてる相手に勝つ方法は1つだけ。

『その時に一番強いカードを持っている』事だ。

これだけはグルになってもどうしようもない。せいぜい痛手が増えないようにさっさと降りるくらいだ。

カードに不正をしない限りは防ぎようも無い。


このカードに不正を防ぐ方法、それは最初に親になる事だ。

そうすれば誰もカードを操作出来ない。最初の親はカードをシャッフルするが、それ以降は触れないから。


つまりこの状況で俺が勝つ方程式は、

『最初に親になり、勝負が始まれば常に全員よりも高い数字を出し続ける事』となる。

だが、『「Joker」AAAAKKKKQQQQ』なんてやればインチキと叫ぶだろう。

そのさじ加減が大切だぜ!

意外に難しいですよね、インディアンポーカーって。

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