ホウズキさん、質問です
「ちょっとホウズキさんに相談してくるわ。皆はどうする?」
「他のケルベロスと対戦して宝石を集める!」
「……あっ、そうですか。じゃあカンダさんは護衛ね」
「えっ?!」
「じゃあ行ってくるよ」
恐ろしきは宝石の魔力よ。
対戦というのがバトルなのかギャンブルなのか判らないが、確実に集めてきそうだ。
カンダさんにはタブレットを貸しておいたので、すぐに見つける事が出来るだろう。
壊れたら困るので、対戦に参加しないカンダさんに預けるのが一番。犠牲者とも言うが。
ホウズキさんは家に居た。
色々と聞きたい事があるんだよね。
「こんにちは」
「おや、福田君じゃないか。久しぶりだのぉ」
「ハズキ君は元気ですか?」
「おう、元気じゃ。勉強に遊びに毎日一生懸命じゃよ」
「良い事ですね」
「城に居ては体験できないからの。して、今回は何用じゃ?」
「3つほど用件があるんですよ」
「うむ、伺おうかの」
今回の事で聞きたい事は3つあるんだよね。
どれも重要な事だ。
「まず、1つ目です。
ケルベロスってモンスターの弱点を知りませんか?」
「ケルベロスのぉ……弱点は知らんが、甘い物が好きだと聞いたことがあるの」
甘い物が好きか。なら、お菓子でも与えるかな。
どうも犬になりたがらないからね。お菓子で釣ろう。
「ありがとうございます。2つ目ですが、これを知ってますか?」
エリクサーをホウズキさんに渡す。
「うん? 水か?」
「ダンジョン内で汲んだ物なんですけど、鑑定したら……」
「どれ。『オピニオン』! 何々……な、なんじゃこれは?!」
「オピニオン? もしかして、鑑定の魔法ですか?」
「そうじゃよ。上級魔法じゃ。
いや、そんな事よりもじゃ! なんじゃこのエリクサーってのは?!」
「そう言われるって事は知らない物なんですね?」
「このような物は世の中に無いぞ?! 少なくともワシは知らないわぃ」
「ん? 今思った疑問なんですけど、全く知られて無い物を鑑定したのに、内容が出るのは何故なんです?」
「待て待て。わしも混乱しておる。
一つづつ解決しようではないか。もう一つの聞きたい事も言ってしまいなさい」
「あっ、はい。エリクサーの効果のある魔法ってありますか?
って、無いですよね。作れますか?」
「そういう事か……。では順番に話すとしよう」
落ち着く為に、客間でソファに座り、お茶を飲む。
ホウズキさんが煎れてくれたんだ。ん~、番茶か。落ち着くな。
「では。まずは鑑定の事から話そうか。
これはな、聖王国が関係しているのだよ。正確には聖書だがね」
「聖書ですか?」
「そうじゃ。その聖書に『神が万物を作り出す時に万物の書を使った』というのがあるのじゃよ。
それを信者は信じておる。そしてある信者が研究を続けたのだよ。
完成したのが『鑑定』。魔法を使って『万物の書』にアクセス出来るようにしたのじゃ」
あぁ、そういえば、RPGツ○ールみたいなのから選んで配置して作ったらしいからね。
それを見ればこの世界に在る物は、全て載ってるよね。
それを『鑑定』は引用しているのか。ならば『鑑定』には間違いは無いだろう。
「それから魔法を作る者は、神を信じる者が多くなったのぉ」
「ホウズキさんもですか?」
「ワシは神は信じておるが、ダヒュテムは信じてはおらんよ」
嫌われてるな、ダヒュテム。
自業自得だけどさ。
「鑑定の事は理解出来たかの?」
「ええ。自分も前にそういう話を聞いた事があったので、納得出来ました」
地球にも何かそういうのあったよね。
アカシックレコードだったっけ?
あれって過去から未来まで載ってるんだよね? 違ったっけ?
「では、本題のこのエリクサーについて話をしようか」




