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エリクサー

「さあさあ、落ち込んでないで、ドロップ品の事を説明してくれよ」

「……判ったわよ。

 モンスターを戦って倒すとドロップ品が出るわよね。

 それはモンスター同士で戦っても出ないのよ」

「うん、知ってる」

「知ってるの?! あっ、従魔が沢山いるなら知ってて当然か。

 まぁ、それは良いとして。実は自力で体力を0に近づけるとドロップ品が出せるのよ」

「へ~。そうなんだ」

「当然だけど、回復手段を持ってないとそのまま死んじゃうけどね」

「そりゃそうか。ん? って事は、回復手段を持ってるのか?」

「ええ。この階には知られて無いけど回復の泉ってのがあるのよ」

「回復の泉?」

「その泉から湧いて出る水を飲むと、少しだけど体力が回復するの。

 怪我してたら、そこに付ければ治るわ」


へ~。自然界の回復薬って感じか。

温泉みたいな物かな?


「ん? って事は……」

「そう。泉の前で自殺行為をしてドロップ品を出して、泉で回復するのよ」

「……そりゃ確かに限度があるな」


冒険者相手にギャンブルがしたいだけで、自殺行為をするのか。

完全に中毒じゃねぇか。

しかし、その泉には興味があるね。


「宝石の事は判った。そんな理由なら皆も諦めるだろ?」


女性陣はガッカリした顔をしている。

それでも強制しないので、理解はしてるみたいだ。


「で、その泉には案内してもらえるのか?」

「良いわよ。こっちよ」


ケロに付いていくと、壁に草に隠れた穴が開いていた。

マップで確認すると、確かにその先に青い所がある。

ただ、その穴は小さくて、犬なら普通に進めるが大人になると四つんばいじゃないと進めない。

こりゃ発見されないはずだわ。


苦労して穴を抜けると、そこには4畳半程度の広場に噴水のような設備があった。

ライオンの口の所から水がチョロチョロと出ている。

これ、誰かが作ったのか?

こっちの世界の人間とは思えないな。やはり神様の誰かだろうね。

多分、ダンジョン内のセーフティーエリアのつもりなんじゃないかと思う。

誰にも発見されてないけどな。


「これが回復の泉か?」

「そうよ。この広場では戦闘は禁止されてるの。なので安全にドロップ品を出す事が出来るのよ」


やはりセーフティーエリアのようだ。

RPGで言うセーブポイントみたいなものだ。

前からRPGで疑問だったんだよな。何で勇者が回復したりセーブ出来る所があるんだろうって。

俺が敵ならそんな所は作らないのに。

でも理由が判ったよ。モンスターも回復しなきゃいけないからだ。

そうしないとモンスターは減るだけになっちゃうからね。


「この水、汲んでおいて後で使っても良いのかな?」

「どうだろ? そうやって使った事無いから判らないわ」

「ま、実験してみるか」


持っている水筒に泉の水を汲む。

久々に鑑定の眼鏡を出して調べてみる。


『エリクサー

 10分ごとにHPを10回復させる。

 傷口に塗れば傷を癒す事が出来る。

 毒を消す作用もある。

 効果は1時間で切れる』


おおっ! これがエリクサーか!!

効果は1時間で切れるらしいが、HPが60も回復するなら優秀じゃないか!

オロナ○ンのような効果の魔法とは大違いだな!

いや、実はエリクサーを知っている人が居ないのかも。

知らないから、それに近い魔法が作れないんじゃないか?

これはホウズキさんに渡す必要があるな!


とりあえず運んでも大丈夫なのか実験する為に、ここに『門のシール』を設置した。

これでいつでも取りに来る事が出来るぜ。

まぁ、マジックボックスに入れていれば大丈夫だと思うけど。

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