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性別当て

「ちょっと待った!」

「何よ?」

「開始する前にもう一つだけ聞いておきたい」

「どうぞ」

「例えば俺がその鏡を持って『ウエダを映せ』と言ったとしよう。

 俺は男性のウエダって人を知っている。奥さんと娘さんもだ。

 その人がピンポイントで映し出されるって事は無いのか?」

「つまり鏡が記憶に反応して、狙った人を映すのではないか?と言いたいのね?」

「そういう事。それなら、お前の所に来る冒険者を狙い撃ち出来るからな。

 その場合、当然性別も知っているだろうし。イカサマと言えるだろ?」

「なるほどね。でも大丈夫よ。この鏡はファジーなくせに頑固なのよ。

 例えばさっきの例で言えば、そのウエダって人が住んでいる場所や特徴を言わないと映してくれないの。

 判りやすく言うなら、知らない人にその人を紹介するように説明しなきゃダメなの」


なるほど。

じゃあウエダさんを映したければ、

『ニーベル国のオオキの村に住んでいる、ウエダって言う店主を映せ』

と、長々と説明する必要があるという事か。

これでも奥さんが店主だった場合は奥さんが映るし。

ファジーだとすれば、家族が揃ってる所を映すかもな。

ま、それなら良いだろう。


「理解した。じゃあ始めようか」

「やっとね! あっ、ルールを説明するのを忘れてたわ。

 最初は私が名前を言うけど、次からは勝った人が名前を言うのよ。

 で、名前を言わない人は男女を選ぶ権利があるの。判った?」

「そりゃそうか。名前を言った者が男女を選んだら、上手くやれば狙い撃ち可能だもんな」

「そういう事。全部で5回やるわよ。偶数回だと引き分けの可能性もあるからね!」

「OKOK、問題無い」


ちゃんと考えてるな。

さて、運を使うとするか。

ん? いや、使わなくても良いのか。まだ継続してるはずだし。

1回戦で負けたら使うとしようか。


「名前を言ったら30秒後に映し出すから、それまでに男女を決めてね。

 映った時に決めてなかったら、自動的に負けになるわ」

「OK」

「じゃあ始めましょう!

 ん~、そうね。まずは『アカギ』コレにしましょう!

 『鏡よ、アカギ1人を映しなさい!』

 さ、男? 女? 好きな方に賭けて頂戴」


最初はアカギか。

知り合いには居ない名前だね。

って事は勘で決めるしかない。なんとなくだけど、男のイメージだ。


「男にするよ」

「じゃあ私は女ね。さて、どっちが映るかしら」


鏡を見てたら、さっきまでは普通の鏡だったのに今は波紋が起きている。

まるで水の中に砂を撒いたみたいに沢山の波紋が出来ている。


波紋が収まってくると、どこかの景色が映し出されてきた。

よく見ると、鏡の中央に誰かが映っている。これがアカギって人なんだろう。

どこかの店のようだ。映っている人は後姿で男女の判別が難しい。

アカギさんは店主のようで、魚を持って立っている。魚屋さんかな?

髪が長いので女っぽいな。運が作用してないのか?


おっ、客が来た。その客はどこかの執事のようで、白髭白髪だがキリッとしている。

どうやら持っている魚を買ったようだ。

鏡はここで映すのを止めた。


……この場合はどうなるんだ?

映ったのは髪の長い店主。だが、こちらを向かないので確実に女性とは言えなかった。

性別がはっきり判ったのは客の方。あれは男性だ。間違いない。


「この場合は?」

「ん~、アカギは女性っぽかったけど、男女がはっきり判ったのは客の方だったわね。

 なので正解は男です! 貴方の勝ちよ」

「そうなるのか」

「ええ。とにかく、最初に男女が判別出来た人を正解とみなすの。

 ただ、あまりに沢山の人が映った場合は、一番手前の人かその名前の人が正解になるわ」

「もっとごちゃごちゃだったら?」

「その場合はやり直しね」


そうなるんだ。

まぁ、当たったから良しとしよう。

俺の1勝だね。


次からは名前を言うのか。知り合いの名前でも言うとしよう。

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