インディアンポーカー
罰ゲームはいままで行った事の無い店でやる事にした。
だって、知ってる人の中でやっても面白くないからね。
いつもは村からの道が繋がってる東門の近くの店ばかりだから、今日は西門の辺りに行こうと思う。
罰ゲームを受けるのはウエダさんなので、今回は奥さんも同伴です。
コタニさんがナミちゃんと留守番する事になった。
ホテル内にはちょっとしたお店があり、そこでトランプを買ったそうだ。
それで一緒に遊ぶらしい。
ポチも一緒にお留守番。攫われたら大変だからね!
この町は結構大きいので、各門を周るバスが出ている。
バスと言っても馬車なんだが、500円で好きな門で下車して良い仕組みだ。
どうせならと、バスに乗って移動した。
勿論西門周辺は初めてだ。
不思議な物で、東門近くとは雰囲気が違う。こちらの方が高級そうな感じがする。
早速ウエダさんが買ってきた地図で、行く場所を探す事に。
買ってきた物が、最初に自分の罰ゲームの為に使われるとは皮肉だねぇ。
「ここに行ってみましょうよ!」
一緒に地図を見ていたカンダさんが声を上げる。
「えっ? どこ?」
「インディアンポーカーって書いてあるんですよ。俺、どんなゲームか知らないんで」
インディアンポーカー?! それってあの?
おでこにトランプを当てて勝敗を決めるやつ?!
そんな店まであるのかよ……。でも面白そうだ!
「じゃあそこに行ってみようか! じゃあ今からウエダさんは『ジャック』か『イエロー』で。どっち?」
「なあ、マジでやるのかよ?」
「マジだよ? こういうのって、ちゃんと最後までしないと面白くないじゃん?」
「そうだけどさぁ……あ~判ったよ!」
「で、どっち?」
「くっ、、、じゃあ『ジャック』で行くよ」
ついでに奥さんに「ジャック」の経緯を話してあげた。
「じゃあ私は『クイーン』でしょうか? フフフ」
奥さんの方がノリノリじゃないですか~。
さて、お店に到着したのだが、、、やはりここは1人で行ってもらおう。
全員で行けば、誰か俺達を知っている人がいるかもしれない。
見つかったら面白くないよね?
中に入ると壁に説明や注意書きが貼ってあった。
この店もポーカーの店のように、別室で勝負の様子を見れるらしい。
「じゃあ、俺達は別室にいるから。頑張ってね~」
さすがにウエダさん自信のお金を使わせるのはヒドいと思うので、俺のカードを渡した。
50万入ってる。負けても文句言わない、勝っても全て俺の金、という決まりになってる。
そう、この勝負はお金の勝ち負けじゃあ無いのだ!
ウエダさんが恥ずかしい名前で呼ばれるのを見るだけなのだ!
知らない人の為に少しだけ説明しよう(この店のルールだけどさ)。
使うチップは1枚5000円のもの。
インディアンポーカーとは、、、
4人1組で丸テーブルで勝負するゲームだ。場にある1組のトランプを使う。
1.最初にその中から適当に1枚のカードを引く。1番大きい数字を出した人が親になる。
2.親はカードを回収し、シャッフルする。終わったら場の真ん中にカードを置く。
3.親から時計回りで、カードを1枚引く。その後に全員が場にチップを1枚出す。
4.親の合図で一斉にカードを自分のおでこに当てる。自分のカードは見えないが他人のカードは見える。
5.場にあるタイマーのスイッチを押す。1分でベルが鳴るタイマーだね。
6.その1分の間に、会話をしたり人の顔色や視線を見たりして、自分のカードを予測する。
7.大きい数字を持ってる人が勝つので、勝てると思ったらここでチップを出していく。無理だと思ったらここで降りる。
8.全員の行動が終わったら勝負。おでこのカードを場に出して勝敗の結果を見る。
9.一番大きい数字の人が場のチップ総取り。数字が同じなら黒いカードが強い。黒同士ならスペードが強い。
10.勝った人が親になり、3に戻る。
11.場のカードの山が無くなるか、だれかが破産したら終了。
こんな感じだ。
ジョーカーが入っているので最後に1枚は残るんだけどね。
このゲーム、意外と記憶力の勝負にもなってくる。
一度出たカードは出てこないからね。暗記してれば後半が勝負どころになる。
今思ったけど、このゲームって俺向きじゃないかもしれない。
常に強いカードが俺に来たとしよう。
他の3人はそれを見たらチップの上乗せをしないんじゃないか?ヘタすりゃ降りる。
最後まで勝ったとしても1回のゲームで5000円×3人×13試合=19万5000円しか稼げない。
他人が勝負出来る!と思ってもらえないと、大勝ち出来ないゲームなのだ!
まあ俺の事はいいや。
ここはウエダさん、いやジャックの試合を見学しようじゃないか。
あれっ? ウエダさんって記憶力良かったっけ??




