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意外な弱点

俺は慌てて倉庫の中に入り、中から鍵をかけた。


ドンドン、ドンドン


扉を叩いてくる。


「ふくだく~ん、居るんだろ~、開けてくれよ~」


その時、生温い風がピューと吹いて来た。

嫌だな~、怖いな~、どうしようかな~。


ってホラーかよ!

でも、本当にどうしようか。

逃げるか! そうしよう!


まずは倉庫の中に船を出す。

出してから気づいたが、船底がV字型だった!

倒れるかと思ったが、謎の力で水平を保ってる。

どんな改造をしたんだよ……。


しかし海に浮いている訳じゃないので、乗り込むのが非常に困難だ。

ここまで改造しているのだから、自動で乗れるようにして欲しかった。

ボディに引っ掛かりがあれば登れるのになぁと思いながら船体を触っていると、いつの間にか船の中に瞬間移動してた。

本当に、どんな改造したんだよ!


考えてもしょうがないので、船に張った『門のシール』を使う。

だが、何の反応もしない……。あれ? 壊れた?

あっ! 違う! そういえばこの船は島と同じ防御結界だった!

あれって、魔法も通さないんじゃなかったっけ?

って事は、マーカー使えば島には行けるけど、直接家には帰れないのか?!

意外な弱点発見!!

1枚無駄になっちゃったよ……。


諦めて船を飛び降り、下で『転移板』を取り出して家と繋ぐ。

すると俺が家に行くよりも早く、皆がこちらに来た。

どうやら部屋で待機していたようだ。

どれだけ来たかったんだよ。


「遅いじゃない! ずっと待ってたのに!」

「いや、色々と面倒事が起きてさ」

「……あのドンドンいってるのも、その面倒事の1つなの?」

「そうです」


俺はロッツギルであった事を皆に説明する。

するとナグラさんとコタニさんの機嫌が悪くなってきた。


「へ~、私達が待っている間に許婚を作ってたんだ~」

「色々と楽しんだようっスね~」

「ちゃうって! 押しかけだし! それに惚れたとかじゃなくて、ただの戦闘狂だから!

 どっちかと言うと、コルラド国に居そうなタイプだから!」

「へ~、そうですか」

「変態ホイホイっスね」

「変なあだ名を付けるのは止めてください。本当そうで怖いです。

 それよりも、アレをどうにかしてくれないかな?! 女性は女性同士でお話してさ! ね!」


ちなみにカンキジコンビは、我関せずとばかりに船から島に行き馬車と馬を連れてきた。

カンダさん、男なんだから助けてよ!


ナグラさんとコタニさんは、アイさんと話をしに入り口に向かった。

その間に俺は、もう用事の無い船を収納する。

これでもうこの倉庫には用事が無いので、鍵を返しに行きたい。

だが、出入り口は1つしか無く、現在そこは話し合いの最中だ。

うん、近寄りたくない。


そうだ! 今こそ運を使う時!

まぁ、運の回復のせいでこの不幸(?)が起きている気もするが。


俺は『丸く収まりますように』と願う。

さすがに相手は王族だし、穏便にいきたいという配慮からそう考えた。

すると2人がアイさんを連れてこっちにやってきた。


「同行する事になったから」

「は?」

「王族だから国を出られないので、国内限定っスけどね」

「いやいや、なんでよ?」

「ずっと王都から出てないらしいじゃない! 可哀想だと思わない?!」


3人は仲良くなったようだ。

確かに丸く収まったが、俺の心労は?

願い方を間違えたか?!

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