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貸し倉庫

川沿いに進むと、函館の赤レンガ倉庫のような建物が見えてきた。

きっとあれが貸し倉庫に違いない。

確か横に管理室があるって話だったよな?

人が居るようなので、聞いてみよう。


「すみませ~ん」

「はいはい、何でしょうか?」

「ここは貸し倉庫で合ってますか?」

「そうですよ。お客さんですか?」

「はい。借りようと思ってまして。空いてますか?」

「え~と、今は1つだけ空いてますね。あ~でもこれは予約が入ってるか~」

「そうですか……」


いきなり暗礁に乗り上げたなぁ。

しかも空いてるのに借りれないなんて!

いや、待てよ? 予約っていつなんだろう?


「すみません。俺は1日だけ借りれれば良いんですけど、それでもダメですかね?」

「1日だけ?! うちは1ヶ月単位でしか貸してないよ?」

「1ヶ月分の料金を払いますから。ダメですか?」

「う~ん。確かに1日だけなら空いているけどさぁ……何か怪しいなぁ」

「あ、怪しいですか?!」

「だって1日だけで良いって言うし、1ヶ月分払うって言うしさぁ」


確かに。

そう聞けば普通は怪しむよね。

だが、俺には切り札がある! 水戸黄門の印籠のような物が!


「自分は王家関係者なんですよ。ほら、これ」

「これは、王の紋章の封印! た、確かに王家の関係者ですね!」

「いざとなれば、王に話を持って行っても大丈夫ですよ。保障してくれますよ」

「本当ですか~?」

「本当ですって! 実はですね、俺は他国の人間で王様に用事があって来たんですよ。

 で、明日までの滞在なので、荷物や馬車を入れておく場所が確保したいだけなんです」

「城に置いてもらったら良いじゃないですか」

「ほら、ここって城まで距離があるでしょ?

 宿は町にあるんですよ。私物を取りにわざわざ城まで行くのは面倒ですよね?」

「う~ん、理屈は判りますけどねぇ。ちょっと城に問い合わせても良いですか?」

「勿論良いですよ。王様に直接聞いてもらうようにしてくださいね。王様くらいしか知らないと思うので。

 自分の名前は福田です。外交官の福田と伝えれば大丈夫です」

「じゃあ、済みませんが、少々お待ちくださいね」


こうして管理人さんは出て行って、従業員と話をしている。

誰かを城に走らせるらしい。

王様から何か許可証のような物でも貰っておけば良かったな。


出されたお茶を飲みつつ、待つ事20分。

部屋に従業員が入って来て、管理人さんに耳打ちした。

どうやら結果が出たかな?


「今確認が取れました。王様から直々に『問題無い』と言われたそうです!

 本当に外交官だったのですね!」

「そう言ってるじゃないですか。1か月分を払えるのは、国がお金を出すからですよ。

 で、貸してもらえますか?」

「王様のお墨付きならば、問題ありません。

 では、ご案内致しましょう」


こうして、やっと倉庫に案内してもらえる事になった。


借りる倉庫は川には面しておらず、裏通りに面していた。

中から入れてない馬車が出てくるのだから、目立たなくて良いね。

管理人室からも見えない場所だし。

入り口は両開きの門のようになっていて、右の扉に通用門が付いている。

この門の大きさなら馬車も余裕で通りそうだ。


中は結構広くて、幅10m・奥行き15m・高さ5mって感じ。

明かり取りの窓が上に付いているが進入出来ないように鉄格子が付いている。


納得したので、管理人室に戻り契約書を交わす。

中に入れる物には責任を持たないらしい。何も入れないから問題無いけど。

料金は50万円だった! 1日50万円! って、1ヶ月50万円か。

それでも高いよな。 普通に家を借りた方が安かったか?


門と通用門の鍵を借りて、契約は終了。

明日の朝までが期限だ。

まぁ、すぐに『コネクト』で皆を呼んで、馬車を出したら返却するけどな。


管理人室を出て倉庫に向かおうとしたら、姫様に見つかった……。

そりゃそうだ! ここに行くって話してたんだから、バレるのは当たり前だよ! 俺のバカ!!

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