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売られたケンカを買う

待て待て、慌てるな。

今の自分をおさらいだ。

首、冒険者証、良し! 手、王家の紋章の入った手紙、良し!

うん、絡まれる要素無し!!

でも、この状況……。

つまり、何も考えていないアホなんですね。


周囲を見ると、半分が俺に同情の目をしている。

残りの半分は目が合った瞬間に逸らされる。

あぁ、やっかいなアホなんですね。

まさか勇者君に教育した通りの事が起きるとはねぇ。


「おい、早くその剣を貸せよ」

「アホか。何でお前に貸さないといけないんだ?」

「何だと?! てめぇ、これが見えねぇか?!」

「銅色の冒険者証だろ? だからどうしたよ?

 ここのギルドは銅色の冒険者に武器を貸さなければならない、って決まりでもあるのかよ?」

「あぁ、あるぞ。だから貸せ」

「あるのかよ。じゃあちょっと待てや。王様に確認して事実なら貸してやるよ」

「な、何で王が出てくるんだよ?!」

「ギルド内の取り決めだとしても、譲渡や貸し借りに関しての国の法律があるはず。

 ギルド内の取り決めよりも国の法律に従うのは当然だ。

 王とは知り合いだから、どうなってるか聞いてくるさ」

「は、はは、ハッタリだ! たかが赤色の冒険者が王と知り合いの訳がねぇ!」

「お前のバカな頭じゃ理解出来ない事は多いんだよ」

「キサマ! 痛い目みないと判らないらしいな! 表に出ろ!」

「はぁ? 一人で勝手に表に出てろよ。俺は用事があるんだよ」


おぉ、顔を真っ赤にして怒り狂ってるな。

そろそろ危険かも知れないし、運を使っておくか。

『ギルド内に居る間、誰にも触られませんように』と願っておく。


「てめぇ……、良い度胸だ……、覚悟しろよ!」

「何の覚悟だよ? あぁ、バカの相手をする覚悟か? それなら大丈夫だ」

「て、て、て、てめぇ!!」


予想通り殴りかかってきた。

ギルド内で暴れるとか、本当にバカだね。


俺が1歩だけ下がると、バカは空振りしてバランスを崩した。

ん? 酒臭い。酔っ払ってるのか? ウザさが増したな。

ちょいと足を引っ掛けてやると、壁に突っ込んでいった。

それでもこっちに向かってくる。元気だなぁ。


「てめぇ! 避けるんじゃねぇ!」

「殴ろうとするバカからは避けるに決まってるだろうが。あぁ、バカだから判らないか」


今度はギルドのカウンターに肘を置いて立ってみた。

すると目測を誤ったのか、カウンターにある柱を殴った。アレは痛いな。丁度角を殴ったみたいだし。


「てめぇ……」

「いや、俺のせいじゃないぞ? お前が勝手に柱を殴ったんだ。柱が人に見えたのか? 目医者行け?」

「……殺してやる」


とうとう腰の剣を抜きやがった。

俺は急いで運を使う。

『いい加減ウザいので、怪我をする事無く収まらないかな~』と願う。


俺に向かって剣を振り上げた瞬間、銅色冒険者の剣が弾き飛ばされた。

誰がやったんだろと見回すと、そこには近衛団長の姿が!

そしてその後ろにはアイさんの姿も見える。


「福田様、ここに居られましたか。誰ですか、このバカは?」

「これは近衛団長さん。これは、何か知らないけど、剣を貸せとか言ってきたバカです」

「ほう……お前はどんな理由でそんな事を言ったのかね?」

「いや、あの……福田! 覚えてろよ!」


そう言い残して走り去っていった、銅色冒険者。

バカを覚えておけって? 確かに覚えるよ、印象深いからな、バカすぎて。

それにしても、近衛団長さん。振り上げた剣を弾くなんて、やっぱり強いんですね。


「それにしても近衛団長さん。俺を探してたんですか?」

「私ではなく、アイ様がお探しです」

「探したぞ、福田殿」


別の厄介事が起きる予感がします。

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