表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
542/949

最後の勇者到着!

俺は一人で7階に待機している。

いきなり攻撃してこないように作戦も練ってあるので、一人でも心配無い。

ガーも回収したし、いつでも来るが良いわ!


な~んて思ってたら、案外早くやってきた。

走り回ったのだろう、肩で息をしているし汗だくだ。

だが、俺を見るなり、驚いた顔をした。作戦通りだ。


「貴方は誰ですか?! ここは日本じゃないですよね?!」


ほら、混乱しだした。

何故混乱してるのかと言えば、俺は7階の中心に畳を並べてちゃぶ台を出してお茶を飲んでるからだ。

これを見て襲い掛かってくる日本人は居ないだろう?

よし、さらに混乱させてやろう。


「あたしゃ、神様だよぅ」

「は?」

「あたしゃ、神様だよぅ」

「神様なんですか?!」

「何言ってんだぃ! あたしゃ、神様だよぅ」

「だからそう言ってるじゃないですか!」

「えっ?」

「えっ?」

「えっ? えっ?」

「えっ? えっ?」

「えっ? えっ? えっ?」

「えっ? って、もう良いですから!」

「ちぇっ。もうちょっと付き合ってくれても良いのに」


ド○フを知らないのか?

「私も神様だよぅ」って言って欲しかった。

まぁ、掴みはOKだ。真面目に話をしようか。


「ボケはこれくらいにして、ちゃんと話をしよう。

 私は神の使いなのだよ。判るかね?」

「では、ダヒュテム様の……」

「シャラーーーーップ! 黙りなさい!」

「えっ……何ですか?」

「あのような神の使いなどと言われるのは不快です。止めて下さい」

「あのような……ですか?」

「聡明な君なら判っているだろう? 私は創造神の使いなのだよ!」

「創造神?」

「君の事は全て知っているよ。趣味嗜好から、エロ本をどこに隠しているか、まで全てだ!」

「本当ですか?!」

「では発表しようか? 君のエロ本の隠し場所は……」

「言わなくていいです! 判りましたから発表しなくていいです!」


本当は何も知らないんだけどね。

自信有りげに喋れば疑われる事は無い。

なんせ混乱の最中だからね。


「では最近の話をしようか。

 君は地球から来ていて、この世界の魔王を倒そうと他の3人と共に来ている。違うかね?」

「いえ、合ってます! それで、他の3人が……」

「言わなくても判っている。行方不明だと言うのだろう?

 その者達は保護しているから心配しなくて良い」

「……そうですか。安心しました」


おいおい、もう少し考えろよ。

保護しているって事は、俺が捕まえてるって事だぞ?

ある意味人質って可能性もあるんだけどさ。

まぁ、高校生に深読みは無理か。


「さて、君も気になってるだろうから、私がここに居る理由を説明しよう」

「お願いします」

「君は召還されたね」

「はい」

「その時不思議に思っただろう? 『何で魔王を倒すのに自分が必要なのか』と。

 そう、賢い君なら疑問に思って当然だ」

「そ、そうですね」


ちょこちょこと、褒めている事にお気づきだろうか?

褒められてイヤな人は居ないだろう。

そして、自分を褒めてくる人を嫌う人も居ないだろう。

だから、褒めながら説明する事で、この人は本当の事を話していると思わせるのだ!

フフフ、徐々に洗脳してやるぜ。


「神ほどの力を持つ者が、何故地上の魔王くらい倒せないのか。

 誰でも疑問に思うはずだ。君も当然疑問に思った。違うかい?」

「い、いえ、合ってます。その通りです」

「だが! 相手は神だ。疑問を持っても問う事は無礼になると思い黙っていた。

 空手の道場で規律を教えられていた君の事だ、そう思い黙っていた」

「そ、そうなんですよ。失礼ですからね」

「それに相手は神だ。反抗しても勝てる訳が無い。召還出来るなら変な場所に送る事も可能だからね。

 君は素早くそこまでを考えて黙っている事を選択した。さすがだね」

「い、いえ、そこまで褒められる事では無いですよ」


乗ってきたな。

こうなると、簡単には覆せないぞ。

今まで自分がそうですと言った事がウソになるからな。


それに俺も神を名乗っている(性格には使いだけど)。

今、暗に「神には勝てないよ」「反抗するとひどい目にあうよ」と教えたし。

さて、追い込もうかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ