表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
531/949

聖王国の冒険者ギルド

3人目でやっとギルドの場所を教えてもらえた。

どうもこの国は、宗教が強くて冒険者は弱いらしい。

冒険者ギルドで行っている業務も教会でやっているそうなのだ。

ちなみに、それを受ける人の事を「戦信者せんしんじゃ」と言うらしい。

後ろを伸ばして言うと5人組の戦隊みたいだなと思った。


で、冒険者ギルドだが、在る事は在るんだが肩身が狭く、町の端にひっそりとあるようだ。

そうなると、勇者は戦信者の可能性が高い。

だが俺達は所属してないし宗教も信じてないので行きにくい。

なのでとりあえず、冒険者ギルドに行く事にした。


向かっていると、またまた着信が。

見ればウエダさんだ。


「はい。福田です」

「おう。俺だ。俺、俺」

「オレオレ詐欺ですか?」

「何だよ、そのオレオレ詐欺って?!」

「いや、冗談です。どうしたんですか?」

「寝てたら夢に神様が出てきてよ、『貴方は抽選で当たりました。電話という魔法度具をプレゼントします』って言われて。

 朝起きたら、本当にあるじゃねぇか! ビックリしたんだよ。

 そしたらさ、今度はそれがジリリンと鳴るんだよ!

 恐る恐る取ると、相手は王様じゃねぇか! これまたビックリでよ。

 話を聞くと、兄ちゃんと連絡がつかないって言うからさ。コレ使って連絡してみたのよ」


あの王め! 絡め手を使ってきたか!

しかも自国民を使うとは、やり方が汚い!


「あぁ、連絡はあったので大丈夫ですよ」

「そうかい! じゃあ良かった! またこっちに寄ってくれよ! じゃあな!」

「ええ、近い内に」


こうしてウエダさんとの会話は終了。

フフフ、ウソは言って無いぞ?

連絡はあったよ? 話をしてないだけで。

うん、段々ムカついてきたな。

良し、じゃあ連絡してあげようじゃないか。


俺はアドレス帳でニーベル国国王を出して電話する。

2回のコールの後、繋がった。


「おう、福田君か」

「あのですね、ゴニョゴニョ……」

「うん? 何を言ってるかよく聞こえないぞ?」

「よく聞いてくださいよ? せーの、わーーーーっ!!」


思いっきりデカい声で言った後、切ってやったわ!

フフフ、こういう使い方は知らなかっただろ? 

って、今時日本でもしないだろうけど。今頃耳がキーンとなってるに違いない。

少しは溜飲が下がった。

さっ、冒険者ギルドに行こう。


着いた冒険者ギルドは、本当に寂れていた。

普通の家でも2階建てなのに平屋だし、人の気配も無い。

窓ガラスも割れてるし、そこにテープのような物を貼って直してある。

入り口の扉に「営業中」と貼ってあるのが、また悲しいよね……。


中に入ると、魔法道具の照明も無く、ロウソクが灯してあった。

……来たのは失敗だったかな?


「ようこそ、冒険者ギルドへ……」


うおっ! 人が居たのか!

暗くて受付に人が居るなんて気づかなかったわ。


「私はここのギルドのギルド長です。と言っても、他には誰も居ませんがね……」


暗い! 暗すぎる!

自虐ネタにしても笑えないぞ。


「依頼を出されますか? それとも受けますか? それとも冷やかしですか?」


ヤベぇ。聞きに来ただけなんて言える雰囲気では無い。

かといって、依頼を受ける気も無いし。

しょうがない、依頼として出すとしよう。


「あの、じゃあ、依頼を出します」

「えっ?! 依頼を出すんですか?! 何て奇特な!」

「えっと、帰って良いですか?」

「半年ぶりの依頼だ! どうぞどうぞ、こちらへ!」


半年振りの依頼って事は、受ける依頼なんか無いじゃないか!

依頼を出して、大丈夫なのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ