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聞き込み

まさかと思った。

ありえないとも思った。

だって、俺が電話を切った後に、カンダさんの電話が鳴ったんだから!


このタイミングで、持っている人が少ない電話が鳴るはずがない!

あの王め! 俺ではダメだからとカンダさんを狙ってきたか!


電話を見せてもらったら、やはりニーベル国王からの着信だった。

俺は無言で、手のひらを水平にして首の辺りで横に振ってやった。

カンダさんはそれを見て判ったのだろう、無言で切るを押した。

「切れ」のポーズはこの世界でも通用するらしい。


それを見ていた女性陣。

自分にも着信があるのかと身構えたが、さすがにかかって来なかった。

そこまでやれば嫌われるって気づいたのだろうか? そんなに賢いかな?

あっ、ヌマタ卿にでも怒られたかもね。


おっと、こんな事をしている場合ではない。

刑事のように聞き込みをしなくては!


俺達は国境から一番近い町を目指した。

途中に村はあったけど、そんな所には居ないだろと通り過ぎた。

一番可能性のあるのは王都だろう。

次にラース森林の近く。ラスボスが居る所だからね。


それ以外なら、ミノタウロスの山かな。

RPGなら中ボス扱いじゃない? もしくは途中で出されるミッション。

ほら、○○が欲しいなら△△を取って来いとか、××を倒さなければ勇者とは認めないとか、言われるヤツ。

世界を救う勇者に対してどんな態度だよ!って思ったなぁ。

結局無視して途中の町にあったカジノをずっとしてたけど。

思えばあの世界は平和だよなぁ。俺が進めないと魔王も動かないから。


よく考えたら今回も似てるんじゃないか?

召還(と言う名の誘拐)をされた勇者が魔王の所に行かなくても、誰も困らないだろ?

『魔王が世界を滅ぼそうとしています』って設定だったと思うが、魔王は神だし。

それに人間に手を出したら、それこそ間違い無く閻魔様とかが介入してくるだろ?

結局平和じゃないか。逆に勇者が動く事で平和じゃ無くなる可能性が。

……本当に迷惑だよな。


町に着いたが、さてどうやって聞き込みをしたものか……。

ヤバい。何も考えてなかった!

こういう時は皆の力を合わせるんだ!

オラに力を貸してくれ!


「聞き込みをしたいんですけど、どうしたら良いでしょうか?」

「普通にそこら辺の人に聞いたら?」

「いや、確実な方法を取りたいんだよね」

「4人はどういう立場なのでしょうか?」

「ん? キジマさん。どういう事?」

「いえ、勇者(偽)というのは判ってますよ。ただ、王国で匿うにも身分が必要でしょう。

 例えば貴族とか兵士とか、何か身分はあるのでしょうか?」

「なるほど、身分ね……」

「はい! はい!」

「はい、ナグラさん」

「当然、冒険者でしょ! 異世界に来て、冒険者登録をしないはずがない!

 で、登録したばかりなのに、ランクがいきなり高いものになるのが常識!」

「どこの常識かは知らないけどさ。確かに冒険者はありそうだな」

「冒険者なら武具を持っていても当たり前ですし、兵士と違って自由がありますからね。ありえますね」

「となれば、冒険者ギルドに行くのが確実か。良し、そうしよう!」

「でも、私達も冒険者なのに全然ギルドに行かないっスね……」

「……行っても依頼を出す方だったりするしな」

「大丈夫よ! 高校生でハーレム野郎なら、絶対行くから!」

「……根拠は?」

「ギルドで絡まれてそれを撃退した後、受付の人に色目を使われて、他の子からジト目をされるイベントがあるから!」

「それはもう経験したわ! それに知ってると思うけど、ギルドの受付は間違い無く男だぞ?」

「あ~! そうだった!! いや、それも……アリね!」


恐ろしい事を言うなぁ。ナシだ、ナシ!!

ここのギルドの受付がガチムチのハゲオッサンだったらどうするんだよ!

そんなの言われると、俺も行きたくなくなってきたわ。ブルル……。


だが、他に手がかりがある訳でもないので、俺達は諦めて冒険者ギルドに行く事にした。

結局、そこら辺の人に聞き込みをする事になるのだが。

ギルドの場所はどこですか?

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