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時計と靴

「腕時計なら、ほらそこの棚にあるぞい」

「了解っス!」


俺も見たい!

って事で一緒に見てみる。

と言っても、そんなに種類は無く、3種類だけだった。大小あったので全部で6個。


「一番左のが時間を表示するだけのじゃな。

 真ん中のが日時を表示する。一番右のはそれに加え、時間を計る機能が付いておる。」


時間を計る機能ね、つまりはストップウォッチって事だろう。

コタニさんは右か真ん中で悩んでいるようだ。

たしかに左のは普通すぎるよね。

真ん中のはちょっとオシャレだ。

右のはまるでΩみたいでカッコイイ!


「買える値段なら右のが欲しいなぁ」

「右のがカッコイイしオシャレっスよね~」

「これらっていくらなんですか?」

「左から5万・12万・16万じゃ。大小セットで買うなら値引きしてやるぞい」

「買うっス!」


即答かよ! 凄いな。


「右のをセットで買うから、合計で30万にして欲しいっス!!」

「ふむ、お嬢ちゃんの思い切りの良さ、恋人同士で同じ物を着けたいという気持ち、気に入った! 29万にしてやろう!」


あっ、カードの上限ピッタリ作戦だったのに、1万残った(笑)


「いえ、30万ジャストでいいっス!」

「なんとまあ、できたお嬢ちゃんじゃないか! 28万にしてやろう!」


食い下がるほど安くなるというジレンマ(笑)

コタニさんは諦めて28万で購入した。


「毎度あり。魔力のある人間が着けていれば壊れるまで動くからの。壊れたら持ってくるがええ」

「判りました」

「それで、まだ欲しい物はあるかの?」

「う~ん、、、そうだ、腕時計じゃなくて大きい壁掛け時計ってありますか?」

「今は一つだけしかないぞ。これじゃ」


それは丸い形のシンプルな壁掛け時計だった。

下部に蝶ネジが付いている。


「これなら1万でええぞ。なんせ1日しかもたんからな。下にある蝶ネジを回すと動くのじゃ」


バネ式なのかな? 毎日巻くタイプなのね。


「じゃあこれもください」

「毎度あり。他には欲しい物は無いのかの?」


RPGの店みたいなやり取りだな。

でも、良い機会だし、買える物は買っておきたい。

う~ん、、、思い出せ俺!!

装備品はどうだ?あれは武具屋か?

武具じゃない装備はどうだ?


「そうだ! 靴はあります?」

「ん? 靴は靴屋じゃろ?」

「そうなんですが、そうではなくてですね。ほら、魔法が付与された靴とか。そういう感じのありません?」

「魔法具としての靴かえ?」

「そうです! やはり靴屋ですかね?」

「靴のぉ……、おぉ、あったような気がするわぃ!」


そういうとおばあさんは押入れの中をゴゾゴゾ探し出した。

いやぁ、聞いてみるもんだね。

何か掘り出し物があるかもしれない。

あばあさんは古びた箱を取り出してきた。


「これじゃこれじゃ。たしか『飛翔の靴』という名前じゃったと思う」

「ほう! どのような効果が?」

「う~ん、古い物じゃからなぁ……。何じゃったかのう?」

「頑張って思い出してくださいよ!」

「う~ん、美味い食い物でもあれば思い出しそうなんじゃがのう……」


なんだそれ?! えらく都合の良い記憶力だな?!

俺はサンドイッチを取り出して渡した。


「モグモグ、うん、美味い!」

「で、思い出しましたか?」

「おう、思い出したぞ。『魔力を与えると空気が踏めるようになる』という効果じゃったな」

「繰り返せば空も歩けるのか! そりゃすげぇ!」

「タイミングが難しいので誰も使いこなせなかった物じゃ。運が悪けりゃ真っ逆さまに落下するじゃろう」

「運が悪ければ、ね。そりゃあ良い!! じゃあ買いますよ。」

「? 変な言い方をするね? まあ良い、100万の所を10万でいいよ」

「高っ! まあ買うけど」

「買うのかい?!」

「買いますよ。俺、運は良い方ですから」

「そうかい。毎度あり。他には欲しい物は無いのかの?」


さすがにもう思い浮かばない。

場所も知ったし、また買いに来ればいいだろう。


「今日はこれで帰りますよ」

「そうかい。また寄ってくれ。その時はまた美味い物を持ってきておくれ」

「了解です。その分値引いてもらいますよ」

「フェッフェッフェ」「フフフフフ」


「二人とも怪しい笑いはやめるっス……」

今日は久々の土曜休み!

何話か投稿したいと思います。

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