3階
今は子供冒険者を護衛して1階に上がる階段へ向かっている。
護衛と言っても運を使ってモンスターが出ないようにしてるので安全だが。
彼らは俺の持ってるタブレットに興味があるようだ。
「それは、何なの?」
「秘密」
「教えてくれても良いじゃない!」
「じゃあ俺がお前に『秘密を全部教えろ』って言ったら教えるか?
言わないだろ? 何でも聞けば教えてくれる訳無いだろ?」
「ケチ!」
「……自分を何様だと思ってるの? 王様なの?
現実を見ろ。ただの16歳の冒険者で、レベルも低いし弱い普通の女の子だよ?
1階まで護衛をしてもらってるだけ感謝しろよ。
それ以上言うなら置いていくからな」
相変わらず姉の方はダメだ。
腹が立ってきたので、言ってしまった。
それでおとなしくなったので良かったけど。
ほどなく1階へ上がる階段に到着。
子守もこれでおしまい。あ~面倒だった。
「……ありがとうございました」
「ま、地道に頑張れや」
弟の方はちゃんと礼を言ってきた。
姉と別々で冒険者した方が良いと思うけど、さすがにそれは言わなかった。
「み、見てなさいよ!
今にあんたを超える冒険者になるんだから! 覚えてなさい!!」
「見てない。知らない。多分明日には忘れる。早く帰れ」
「キー!!」
勝手にやってくれ。俺は知らないよ。
それに2ヶ月後にはセキハイムから居なくなるし。
子供と別れたら、キジマさんに言われてしまった。
「福田さんもムキになって言わなくても良かったのに。子供のケンカみたいでしたよ?」
「マジで?! ああいったタイプは嫌いなんだよ……。
でも、今後は気をつけるわ」
傍から見てるとそう見えたのか……。
確かに子供に対して理論攻めする大人って情けないかも。
反省だわ。
予定外な事はあったが、なんとか3階に到着。
ここのモンスターはこうだ。
・・・3階・・・
ノーマルドロップ「シャコ」で固定
マンティス
レベル23
カマキリ。
飛ぶし、鎌で攻撃してくるし、やっかい。
つがいで現れる事もある。
レアドロップ「鎌」
グラウンドクラブ
レベル15
1mほどの大きさのカニ。
ハサミで攻撃してくる。吐く泡は毒。
滅多に出現しない。
レアドロップ「カニミソ」
アイアンヤドカリ
レベル25
ヤドカリの上位。
殻が鉄で出来ている。
たまに殻を離れて攻撃してくる時があるので注意。
レアドロップ「鉄鉱石200g」
スケルトン
レベル20~25
この階で死んだ人間が素材。
元の人間のレベルと技能を持っている。
バラバラにしてもすぐ元に戻る。
骨は破壊すれば戻らない。頭蓋骨が弱点。
レアドロップ「5000円」
・・・・・・・・・・
ここのモンスターは美味しいじゃないか!
邪魔なのはマンティスとアイアンヤドカリだな。
グラウンドクラブはカニミソをドロップするし、スケルトンは現金だ。
ま、どれを倒してもシャコが貰えるなら、美味しいでしょ!
この階は積極的に戦闘したい!
だが、5階に行きエサのエビを入手するという目的もある。
う~ん、悩む所だ。
「5階までは一気に進んで、帰りに戦闘すれば良いのでは?」
「キジマさん、ナイス! その案で行こう!」
という事で、5階までは戦闘無しで進む事に決定!




