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リナルウ

「俺は福田。こっちはキジマさんであっちはナグラさんだ」

「ふんっ!」

「もう、お姉ちゃん! すみません……。

 僕はルウと言います。お姉ちゃんはリナです」

「で、レベルは?」

「何で初対面の人に言わなきゃいけないのよ!」


そりゃそうだ。

ダンジョンに居る冒険者にレベルは?って聞くのは失礼だよね。

自己責任で来てるんだから、レベルが高くても低くても関係無い。

ただ、若いし、さっきの戦闘もイマイチだったし、不安でさ。


「言いたくなきゃ言わなくて良いけど。

 ただ、この階に居て良いのか?と思ってね」

「どういう事よ!」

「この階は15~20のモンスターが出る。知ってて来てるのかな?」

「し、知ってるに決まってるでしょ! レベルを上げに来たのよ!」


あ~、レベルを上げに来たって事は、15以下なんだな?

確かに自分よりもレベルの高いモンスターを倒さないとレベルは上がらない。

でも、そういう時って、レベルの上の人と一緒に来て上げるとカンダさんから聞いた事がある。

レベルの低い2人で来るってのは無謀じゃないか?

それにこのダンジョンは1階ごとのレベルの上昇率が高い。

他のダンジョンでやった方が良いと思うんだが。


「このダンジョンはレベル上げに向いてないよ?

 低いレベルで2階は無謀だと思うけど」

「問題無いわ! すぐに上がるもん!」

「お姉ちゃんは黙ってて!

 どういう事か教えてもらえますか?」

「レベル上げするんだったら、

 1、ローリスクローリターンのレベルの高い人に手伝ってもらう。

 2、ハイリスクハイリターンで自分達で高レベルのモンスターを倒す。

 この2点だと思ってくれ。

 で、君達くらいのレベルだと、1を選ぶべきだ。

 2を選ぶなら、このダンジョンは止めた方が良いって事」

「……だからレベルを聞いたんですね?」

「そういう事。後はギルドランクも教えてくれるかい?」

「判りました。

 僕達はレベル15です。ギルドランクは青色です」

「勝手に個人情報を言うんじゃないわよ!」


青色! 一番低いじゃないか!

って事は登録したばかりなのか?!

しかもレベル15だと?!

フジツボと同じレベルかよ!

アイアンタートル2匹に囲まれたら終了だろ?!


「うん。このダンジョンの2階以降は無理だわ。

 死にたくなかったら止めた方が良いよ」

「失礼ね! そこの人だって私とそんなに年は変わらないでしょ!

 それでもやれるんだから、私もやれるわよ!」

「え~と、ナグラさんの事か?」

「私? 私は17歳よ。で?」

「私は16歳よ。ほら1歳しか違わないじゃない。

 なのに私はダメって言うの?!」

「言うさ。ナグラさんは17歳だけど、レベルが違うから。

 今、レベルいくつだったっけ?」

「72」

「「「72?!」」」


つい、俺も一緒に驚いてしまった。

元々高かったけど、俺よりも22も上じゃないか!

くそっ、チートめ!


ここまで黙ってたキジマさんが口を開く。


「貴方達にはここは無理よ。帰りなさい。

 そしてギルドで誰かの助けを借りてレベル上げをするのね」

「「……」」


なかなか厳しいご意見。

だが、それには俺も賛同する。

ラノベでよくあるVRMMOなんかなら良いけどさ。死んでもペナルティーがあるだけだし。

でもこれは現実。死んだらおしまい。

しかも死んだ後、担当がアサイさんだったら! 死んだ後も苦労するぞ!


言葉も無く、下を向いて悔しそうにしてる姉。

弟はというと、何かを決心した目をしてる。

うん、嫌な予感がする……。


「お願いします! 僕達を鍛えてください!」


ほらな。嫌な予感的中だよ。

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