解かなくていい
500話目です!
馬車に行った2人と合流し、早速買った船に向かう。
キジマさんが2人に聞いた話を伝えていた。
コタニさん、ホラーがダメって知ってるくせに……。
予想通りガクブルしてるじゃないか。
逆に何故かナグラさんはウキウキしてるし。
「……何でそんなに楽しそうなの?」
「この話さぁ、霊のしわざとか思ってないでしょ」
「まあね」
「って事は何か事件よね! 謎解き! 謎解きするんでしょ!
『謎は全て解けた!』とか『おじいちゃんの名前に賭けて』とか『意義アリ!』とか『Q.E.D.』とか言うんでしょ!」
途中違うのが混ざってた気がするが。
「で、誰かを眠らせて、その影からこっそり謎解きをして、寝てる人が謎を解いたように見せるんでしょ?
犯人の逆恨みや怒りを眠らせた人間に向ける為に! 自分は安全なポジションに常に居る作戦ね! 卑怯者だわ!」
「そういうひねた考えはどうかと思うよ?」
「行く先々で殺人事件が頻発するようになるのよね! 悪魔だわ! いや、悪霊?!
どっちにしろ旅に出ては行けない人物になるのね! 怖いわ!!」
「いやいや、旅はするし、行った先で殺人事件なんか起きないから!」
俺を誰だと思ってるのだろうか?
そんな迷惑な人にはなりたくない。万が一そうなったら閻魔様に文句言うわ。
「大体さぁ、謎解き? 何ソレ?」
「……えっ?」
「何の謎を解くの?」
「えーーーーっ?!
謎を解いたから船を買ったんじゃないの?! ほら、何か秘密があるんでしょ?!」
「あぁ、船の話の事か」
「そうよ! 詳しく聞いてたじゃない!」
あぁ。そういう事ね。
じゃあ説明しようか。
「最初の人以降、行方不明が出てないなら乗っても安全じゃん。
買って被害を受けた人がいないってのも、安全を確認する為。
5人の手を渡ってるのなら確実でしょ?
作って半年しか経ってないなら、新品のような物だ。船も綺麗だったし。良いのを買ったよね~」
「……最初の人がいなくなったのは?」
「さぁ? 海に落ちたんじゃない?」
「全員だよ?!」
「全員落ちたんじゃない?」
「次のオーナーが見たのは?!」
「気のせいじゃない?」
「謎は?!」
「無いんじゃないか?」
「謎はあるの! それを解くの!」
「そうなの? 頑張ってね」
「何か間違ってる!!」
そうかなぁ?
大体さ、前も言ったけど、呪いなら解除すれば良いでしょ。
悪霊とか霊の仕業なら、退治出来るよね?
「それにさ、買った人全員が、出航してたよね?」
「そうね」
「今の所、家代わりに使う予定だから、当分は出航しないよ?
操船も習わないといけないし。
何かあるにしても、出航しなきゃ大丈夫じゃない?」
「そこは出航して謎解きでしょー!」
「謎がどうのって事よりも、出航したら確実に迷子になると思う。
事件よりそっちの方が危ないわ」
「正論なのが腹立たしい!」
何で、何かあると知っていながら出航する必要が?
それに2ヶ月くらいはどこにも行けないんだ。出航しても日帰りだよ?
「決め手はさ、船に何かあるとしても、『門のシール』貼るだけだから関係無いでしょ?
住むんじゃないんだからさ。通過地点だと思えば良いじゃない。
何かあるって言われてる船には、誰も近づかないでしょ?」
「……それが狙いなのね!」
「そうだよ。オイシイと思ったね!」
もっとうわさを増やしても良いと思ってるくらいだ。
……夜にチョロにでも飛んでもらうか?
ファントムが飛んでれば霊に見えるんじゃない?
チョロだとコウモリの住みかに見えるだけか?
チョロで思ったけど、レイみたいに海系のモンスターでもテイムして守らせたいな。
何かそういうのいないだろうか?




