やだなー
事故物件。
事故で壊れたりした物。
もしくは人死にのあった物。
呪いがかかった物の場合もある(Wikiより抜粋。って書いてある訳ないじゃん!)
つまりは怪しい船って事ね。
是非とも内容を聞きたい。状況によっては買うから。
「どういう『事故物件』なんですか?」
「……聞きたいですか?」
「ええ。是非とも。前向きに検討してますので!」
「……普通は事故物件と言うと嫌がるのですけどねぇ」
「気にしませんので!」
だってさ、例えば呪われてるとしよう。
そんなのはイイクラさんにでも頼めば、何とかなるんじゃないかなって思う。
「なかなか恐ろしいですよ?」
「どんとこいです!」
「では……。この船はさるお金持ちが作らせた物です。
完成してすぐに処女航海に出たそうですが、2日後、船だけ港に戻ってきたんです。
乗組員は勿論、乗客も全て居なくなっていたそうです。
事件・事故の両方を捜査したのですが、結局何も判らず売却されました」
「ふむふむ」
「次のオーナーは、ある港の管理者でした。
その事件の事は知っていましたが、問題無いと言って買いました。
次の日には乗り込んでバカンスに向かったそうです。
その日の夜、その日は晴れの予報だったのに、雲が出て暗くなってきたらしいんです。
その時、風がヒューと吹き、やだなー、寒いなー、と考えてると、雷が。
その閃光で船首に人影が見えたそうです!」
「ほうほう」
「その人影は居なくなったお金持ちの人に見えたらしいんです。
慌てて寄港し、売却されました」
何か途中で稲○淳○さんが居たような……。
「その後、何人かが買いましたが、やはり2日後には売却されています。
どうです? これでも買いますか?」
「居なくなった人は最初だけですか?」
「えっ? あっ、そうですね。それ以後は行方不明者は出ていませんね」
「買った人は何か被害を受けましたか?」
「被害は受けてないと思いますね。そういった報告は書いてないので」
「最終的に現在までで、何人の人が購入しました?」
「ええっと、作ったお金持ちを除けば5人ですね」
「作られてから現在までの期間はどれくらいでしょう?」
「半年ほどでしょうか? 何か関係が?」
「いえ、古い物なら傷みもあると思いまして」
聞きたい事は大体それくらいかな?
後は現物を見て決めよう。
「判りました。現物を見せてもらえますか?
状態が良ければ買おうと思ってますので」
「そ、そうですか? では、こちらへどうぞ」
多分だけど、物は良いはずだ。
長距離の航海にも耐えると思う。
そう考えてたらキジマさんが小声で話しかけてきた。
「福田さん、買われるつもりですか?」
「ええ。そのつもりです」
「何かヤバくないですか?」
「いえ、逆に安全だと思ってますよ?」
「?? 理由を聞いても?」
「いや、確証は無いので、船を見て買った後に話しますよ」
「……判りました」
一番先に係留してある船が目的の物のようだ。
遠目でも立派な船に見える。
近くで見れば、豪華さがよく判った。
中も見せてもらったが、何の問題も無い。
「ありがとうございます。じゃあ買いますよ」
「……本当に買うんですか?」
「ええ。現金で払いますので」
「で、では、戻りましょうか」
手続きをして、現金で払い、正式に船のオーナーになった。
掘り出し物GETだぜ!




