表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
497/949

知識チート?

「おう、兄ちゃん。何をやってんだ?」

「いらっしゃいませ。これは食券を売ってるんですよ」

「食券?」

「ええ。ここで食べる物を選んで頂き、お金と引き換えに食券をお渡しします。

 それを持って中で座って頂ければ、注文した物が出てくる仕組みです」


俺は訪れる客一人一人に説明していく。


「追加注文したい時はどうすんだ?」

「ここで食券を買って頂いてもよろしいですが、従業員にお金を渡せば食券を買ってきますよ」

「なるほどな。じゃあ今日のオススメをもらおうか」

「ありがとうございます。600円になります」


1000円を受け取り、400円のお釣りと共にオススメと書いた紙を渡す。

お金は俺の横に置いた箱に入れている。

フードからチョロが見張っているので、盗難は無理だ。


食券制度は思いの他好評で、特に問題もなく昼の営業は終わった。


「兄ちゃん達、ご苦労さん。どうだった?」

「ちょっと待って下さい。今集計してますから」

「集計?」

「ええ。今終わりましたよ。これが今日の売り上げです」

「ん? マジか! すげぇ多いじゃねぇか!」

「同じだけ客が入ってたとすれば、計算ミスや食い逃げが多かったって事だと思いますね」

「ふ~ん。便利だな、これ」


理解してもらえて何よりだ。

って言うか、どれだけ計算ミスしてるんだろうか?

まぁ中には食い逃げも居ただろうけどさ。


「利点は他にもありますよ」

「他に何があるんだ?」

「何が売れてるかすぐに判ります。

 今日はそうですね……オススメが一番多いですね」

「それが判ってどうするんだ?」

「メニューの増減が出来ますよ?」

「どういう事だ?」

「もっと集計が必要ですけど、今日を例えにするとですね。

 オススメが多く売れているので、オススメに使う食材は多めに仕入れる必要があるでしょう。

 逆に一度も出なかったメニューは、止める事で仕入れの無駄が無くなります」

「確かに、仕入れたけど使わなくて従業員で食べる食材もあるなぁ」

「無駄を減らす事で儲けが増えますよ」

「良し! 採用だ! 明日からもこれで行こう!

 兄ちゃん、賢いな! 天才か?!」


止めて欲しい。

これくらいで知識チートと思われるのは恥ずかしい。

悪いけど、この店が大雑把なだけで他の店では似たような事してると思う。

この世界で俺が行った店で一番多かったのは、商品と交換でお金を払うシステムだったな。

あれって従業員がお釣りを持ってないとダメなので、面倒だなと思っただけなんだよ。


それにナグラさんとコタニさんは今日からアルバイトしてる。

全メニューの金額なんて覚えられないだろうから、上記の方法じゃ無理なんだよ。


「採用するのは良いですけど、食券売り場の人は雇ってくださいね?」

「おう、判ってるぜ。兄ちゃん達がいつまでも居る訳じゃねぇからな!」

「それもありますが、食券を注文されてから作るのは大変だったので……」

「そうか。じゃあ今から雇ってくるわ! 今日はもう上がって良いぜ!」


そう言って店長は出て行った……。

どこで雇ってくるんだろうか?

バトラーギルドがあればそこに行くんだろうけど、ここには無いらしいし。

冒険者ギルドにでも行くのかな?


上がって良いって事なので、2階に行き皆の話を聞く事に。


カンダさん達は、やはり城へ行けと言われたそうだ。

城の事は俺から話した。警察に追われた事は黙ってたけど。

ナグラさん達も同じ様に城へ行けと言われたそうだが、面白い話を聞いてきてた。


「船を買わないかってさ」

「船?」

「船を買って、港の使用料を払えば、そこに住んでも良いみたいだよ?

 そういう人が結構居るみたいなんだ」


なるほど! 地球でもそういう国があったね!

それなら船に従魔を付ければ良いか。危険があれば海に逃げてもらえば良いし。

貰った島に船で行くって方法もある!

釣りに出るってのも楽しそうだ。

興味が出てきたぞ! その話、乗った!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ