船旅へ!
翌日は収穫の手伝い。
これは何の問題も無かった。
帰りにリンゴを貰えたのが嬉しかったくらい。
良い経験になった。
それにしても港町なのに、リンゴ農家がある事に驚いたよ。
翌日は引越しの手伝い。
これは俺の馬車も使って運んだ。
何で引っ越すのかと思ったら、実は新婚で嫁の荷物を旦那の家に運ぶんだそうだ。
タンスが一番大変だったよ。
これでこの町での依頼も終了。
依頼を受ける事が少ないから貴重な経験になった。
今度からヒマな時は依頼を受けるのもいいな。
ギルドへ行き依頼を完了させると、船の搭乗券を貰った。
これを持って埠頭に行けば乗せてもらえるそうだ。
船室は2等。申し訳ないがそれが精一杯だという。
乗る時に追加で料金を払えば1等や特等にしてもらえるらしい。
思う所はあるが、ギルドの人も苦労してるんだと思い飲み込む。
埠頭へ行くと、デカい船が泊まっていた。
『ニジマス号』これが乗る船の名前だ。
ニジマスって川魚じゃないか? 何で外洋船につけたのだろうか疑問だ。
全長70mくらいありそう。
昔日本でフェリーに乗った事あるけど、それと変わらない大きさだ。
帆が無いので、動力はまさか人力?
でもガレー船みたいに横にオールを出す穴が無い。
どうなってるんだろ?
側面が開いて馬車を載せれるようになったので、受付に行く。
貰った搭乗券を渡すと、7番の札を貰った。これが馬車の預かり券だそうだ。
「船室は2等でよろしいですか?」
「初めてなもので、違いが判らないんですけど」
「では説明致しましょう。
2等は広い部屋となっており、そこで寝泊りしてもらいます。
他の方も利用されるので、場所の取り過ぎには注意してください。
荷物等の盗難もあるのでしっかり管理してください」
「他はどうなってますか?」
「1等は最大6人まで入る事の出来る個室です。宿屋の部屋と同じだと思ってください。
ベッドなども部屋に設置されています。
特等は最大4人までの個室です。室内にトイレも設置されています。
ルームサービス等もあります。いうなれば、スイートルームですね」
ふむふむ、判りやすい。
つまり2等はザコ寝、1等は個室だが食事やトイレは別、特等は全部揃ってるって事か。
「料金はどうなってますか?」
「2等は搭乗料金に含まれていますので必要ありません。
1等は一部屋1日2万円です。特等は1日一部屋5万円です」
つまり3日の旅だから、1等だと6万円、特等だと15万円が必要なのか。
お金がもったいない訳じゃないけど、ここは1等だね。
俺達は5人だから入れるし、問題無い。
そもそも船の中に居る必要が無い。『コネクト』で帰れるし。
「じゃあ1等でお願いします」
「判りました。では6万円になります」
6万円を払い船に乗り込む。
船は4階立てで、1等は3階だった。
ちなみに特等が4階で、2等は2階、1階は馬車や積荷がある場所となっている。
お金を払った者は、やはり見晴らしの良い上の階になるんだね。
初めて乗ったので、船の中を散策する。
食堂は2階にあった。3階には上甲板椅子席ってのがあって、座って海が見れるようになってた。
驚きなのは4階にはカジノがあった事だ。
立ち入りは1等か特等の人に限定されているらしい。
そりゃ3日間も船の中なら退屈だろうし、こういうのも必要なんだろうね。
まぁ、行く事は無いだろうが。




