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200年前の知識

大体の場所を聞いて、馬車でその辺りに移動する。

途中から草原になったので、そこで馬車を降りて徒歩で移動。

レイには獣にも注意するように伝えておいたから、馬車と馬は大丈夫だろう。


警戒の為にチョロは空に居る。

一応ヒヨにも警戒してもらってるが、草と戯れてるようにしか見えない……。

まぁあれでもモンスターだ、獣が来れば気づくだろ。多分。


コタニさんがヨモギを知ってたので、採取は問題無い。

後は俺達が獣を狩るだけだ。


「福田さんは獣と戦った事がありますか?」

「ん~、無いけど、知識としてはあるから大丈夫だよ」

「そうですか? それでも危険なので、一度は俺達が戦うのを見ててくださいね?」

「やらせてもらった方が良いんだけど……」

「いえ、さすがに護衛としては、そこは譲れません」


いや、知識として『常識』を貰ってるんで、戦い方とか弱点とかも知ってるんですが。

ただ、それを言っても通用しないので、ここは従っておくしかない。


今回はミスリルのレイピアは封印だ。

依頼の内容は『ウサギを5匹狩ってくる』だが、詳細がある。

それは、毛皮と肉が必要って事。

なので毒攻撃で倒す訳にはいかない。肉が食えなくなるかもしれないから。


ヒマなのでヒヨと遊んでると、茂みの中からウサギが飛び出してきた。

ヒヨ、役立たず。俺と一緒に驚いてるし。警戒しろよ。

カンキジコンビはナグラさんとコタニさんの周囲をチョロと警戒してたので、こちらへの反応が遅れてた。

まあこれは俺が倒すけどね。


ウサギはデカいくせに俊敏に動く。

ゴールデンレトリバー並みの大きさが突撃してくる。

俺はヒヨをフードに入れ、ドラゴンバスターを構えた。


大丈夫、ちゃんと『常識』で知っている。

こいつらは早いが、イノシシと変わらない。人間相手には直進し体当たりをするのだ。

やっかいなのは、それを避けると今度はジグザグに走ってくる事。

なので最初の体当たりの時が、攻撃の最大のチャンスなんだ。


ウサギの突進をギリギリまで見て、当たる直前に上に跳ぶ。

そしてウサギの耳を掴む。

このウサギ、耳より上に攻撃する手段を持ってないのだ。

俺はそのままウサギの上に乗り、その勢いで首にドラゴンバスターを刺す。

あっけなく貫通し、ウサギはその場に倒れこむ。

これで終了だ。

こうやって倒すと、毛皮に傷が少ないのだよ。


俺はロープでウサギの足を縛る。

後は手頃な木に、ウサギを吊るして血抜きだ。


俺の手際の良さに、カンキジコンビは驚いていた。

いや、200年前の『常識』を持ってるからね。これくらいは当然ですよ。

アサイさんのお陰でね! 初めて役に立った気がする……。


この方法をカンキジコンビにも教えて、狩り続行!

帰るまでに、ウサギ7匹とイノシシ2匹をGETした。

血を抜いたので、俺のマジックボックスに入れておく。

コタニさん達は薬草を30本も採取してた。

これも同じ様にマジックボックスへ。


ギルドに行くと、同じ受付の人が居たので話をする。


「ウサギと薬草、取ってきましたよ」

「ありがとうございます。ではこちらにどうぞ」


連れて行かれた先は、ギルドの裏手にある倉庫だった。

そりゃギルド内で血が滴る獲物を出されたら迷惑だよな。


「こちらのカートの上に置いてください。あれ? 馬車はどこですか?」

「馬車ですか? 宿屋に向かわせましたけど?」

「えっ? ではどうやって運んできたんです?」

「マジッ、いやアイテムボックスに入れてます」

「なんと! アイテムボックスが使えるのですか! 凄いですね!」


さすがにマジックボックスとは言えないよね。

知られたからって困らないけどさ。隠す気無いし。

では何故隠したのか。

ホウズキさんに聞いたのだが、マジックボックスは一般には知られてないらしい。

だからそう言っても通用しないし、いちいち説明する必要がある。

アイテムボックスって言った方が早いのだ。


「じゃあ出しますね~」

「ウサギ7匹、イノシシ2匹、薬草30本、ですね。

 獣は血抜きもしてあるし状態も良好です。ありがとうございます」


受付の人はカートを押して、冷蔵庫のような所に入っていった。

聞くと魔法使いが一人居て、毎日その人が中でフリーズウォールを出すそうな。

氷の壁を作って、冷蔵庫にしてるのか。平和利用だね。


そのまま受付に戻り、報酬を貰った。

明日は収穫の手伝いだね。

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