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醤油騒動

2日後、とうとう俺達は港町に到着した。

よく考えれば、こっちに来て初めて海を見た!

海産物が楽しみだぜ!


出来ればここに『門のシール』を設置したいな。

そうすればいつでも買い物に来る事が出来る。

いやいや、待て待て、変態が多い国に設置するのか? 危険だ。

それに島を貰うって話があるじゃないか。

島なら海産物取り放題だ!

無駄に1枚使うのは止めよう。

宿を取って、明日からは散策だ!


と、気合を入れた翌日、がっかりな話が出た。

なんと醤油が無いのだ! 刺身が食えない!

醤油自体が無いのではない。俺、持ってるし。

醤油が出るダンジョンに問題が発生してるとの事らしい。


しょうがないので冒険者ギルドに行ってみる。

ここなら詳しい事が判るだろう。


ギルド内は静かだった。冒険者がほとんどいないのだ。

依頼の張ってある掲示板には、確かに醤油を入手して欲しいという依頼が多い。

しかもその依頼、なかなかの高額だ。

どうやらこの町に居る冒険者は、皆醤油取りに行ってるようだ。

受付で詳しい話を聞いてみよう。


「すみません」

「はい。依頼を出されますか? それとも受けられますか?」

「昨日ここに来たばかりでして。ちょっと事情を聞きたいなと」

「そうですか。ではこちらへどうぞ」


そう言われ連れてこられたのは、ギルド内に張られている地図の前。

この町を中心に書かれている。


「ここから1時間ほど行った所にダンジョンがあります。ここで醤油が取れるのです」

「はぁ」

「醤油をドロップするモンスターはオーガが有名ですね。

 しかしオーガはレベルが25~30と強敵です」

「確かに危険ですね」

「でも、このダンジョンには通称『醤油スライム』と呼ばれるモンスターが居るのですよ」

「は、はぁ……」

「このスライムは3~4階に生息しており、レベルも10と低いのです。

 しかし、何故かこのスライムが居なくなりました。

 深く潜っていた冒険者からの情報ですと、突然8階辺りに出没したとの事です」

「レベル10が8階にですか?」

「いえ、それがですね、レベルも上がってるようなのですよ。

 まだ鑑定はされてませんが、レベル20くらいではないかと思われています」


そりゃ高額の依頼にもなるよな。

えらい事だ。


「レベルの低い冒険者はまだ出るのではないかと、3~4階をウロウロしてます。

 ある程度のレベルの冒険者は、8階を目指してますね」

「だから誰も居ないんですね?」

「ある意味一攫千金な事態ですからね。

 安全策を取った冒険者は、醤油の買い付けに行く商人の護衛を受けました。

 なので、ほとんどの冒険者が今いないのですよ。

 もし依頼を出されるのでしたら、かなり待たされると思いますので止められた方が良いです」

「そうですか。いや、依頼は出さないので大丈夫です」

「では受けられます? 出来れば醤油以外を受けてもらえるとありがたいのですが……」

「いや、旅の途中なので……」

「受けてもらえませんか? 本当に困ってるんですよ……。冒険者ですよね?」

「まぁ、冒険者ですけども。セキハイムを目指してるんですよね」

「お願いしますよ! 半日! 半日の依頼でも良いんで!

 そうだ、船代を出します! セキハイムまで! 陸路より早いですよ!

 セキハイムまでは陸路で1週間はかかります。船なら3日ですよ?!

 4日間も余裕が出来ます! それで依頼をやってください! お願いします!!」

「えっと……あっ、自分の馬車なんで、陸路かなぁ~」

「馬車も積める船です。問題ありませんよ!」


正直、依頼をこなすのは面倒だ。

ただなぁ、船ってのはなかなか魅力的だ。

お金を払えば乗れるなら依頼は必要無いんだが、出航は3日後だそうだ。

定期便で、昨日セキハイムを出航したそうだ。

同じ3日待つなら依頼をこなした方が暇つぶし出来るか?


「判りましたよ。いくつか受けますよ」

「ありがとうございます! 助かります!」


こうして、冒険者として活動する事になった。

すご~く久々に依頼を受ける気がするなぁ。

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ありがとうございます!

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