願い事
お願い事、お願い事、お願い事……。
願い事とは、神仏に祈願する事柄。(Wikiより抜粋。ウソです)
う~ん、何かあっただろうか?
あまりにも範囲が広すぎて判らないや。
そうだ! 出来る出来ないを聞いておくと良いかも。
範囲が狭まるだろうし。
「すみません。先に聞きたいのですが、出来ない事ってどんなのがありますか?」
「出来ない事かい?
そうだねぇ、死者を生き返らせるとか不老不死はダメだね。私の管轄じゃないし。
後は、今在る物を無くすのもダメかな。出来るけど、認識を消すのが大変なんだ。
簡単なのは新しく造る事だね! これがオススメだよ!」
何かを作る事か……。
何が良いんだろう?
「あっ、そうそう、その新しく造る能力が欲しいってのもダメだよ?
もしそれを願うなら、ここに来て働いてもらうからね?」
つまりはここに来て自分で作れって事になるのか。
便利だけど、多分すげー勉強が必要なんだろうな。
う~ん、困ったなぁ。
こういう時はアレか。某猫型ロボットの道具を考えれば良いか?
あっ、俺、空飛ぶヤツと扉のやつくらいしか知らないわ。
どうしたものか。
俺のしたい事と言えば、この世界を見て回りたいくらいなんだよな。
まぁ、いずれはどこかに定住するだろうけどさ。
そう考えると安全が欲しい。
ただ、現在道中の安全はレイに任せてある。
歩きの時はチョロが居るし、護衛でカンキジコンビも居る。
俺個人の場合は、運を使えば大丈夫だろ?
そうか。後は家の安全か!
これにしよう!
「じゃあ、住む家の安全をお願いしたいです」
「おっと! 意外に欲が無いねぇ。それで良いのかい?」
「はい。それが一番大事だと思うので」
「いいねぇ、その謙虚さ!
じゃあ、無人島でも作ろうか!」
「待って待って! 何でそうなるんですか?!」
「えっ? 何もいない所って安全じゃない?」
さすが神様。考え方がぶっ飛んでる。
そりゃ確かに安全だろうけどさ、生活出来ないんじゃない?
「無人島だと、生活出来ませんよ!」
「大丈夫だよ。そこから君の家までは繋いでおいてあげるから。面白くなってきた!!
後はそうだね、家も建てておいてあげよう。
田畑も必要かな? それから……」
「それは無人島って言うよりも、国みたいになってませんか?」
「国! 良い発想だ! それで行こう!
って事は国防も必要だね。 入れないように結界で囲っておこう」
やぶへびだった……。
もう逃れられないっぽい。
こうなったら、少しでも良くしないと!
「え~、インフラ整備は……」
「そうだね! 必要だね! ついでにダンジョンも置いておこう!」
「俺しか行けないんじゃ不便なんですが……」
「じゃあ認証装置をつけようか!
後は……気候もイジる?」
「いえ、そこまでは……」
「あっ、そうだ! 温泉! 温泉居るよね! 温泉も作ろうか!
良いねぇ、閻魔様のお墨付きで自由に作れるってさ!」
「おい。何でも許す訳じゃないぞ?」
「え~、そうですか? これくらいは良いんじゃないですか?
ご子息を教育してもらったんでしょう?」
「う、うむ、まぁな……。では、それくらいにしておけ」
「そうですね! 後は住んでみないと判りませんよね!」
「そういう意味では無いのだが……。まあ良いわ」
閻魔様、それで良いのですか?!
かな~り公私混同だと思うのですが。
「最後に、暑い所が良い? 寒い所が良い?」
「え~と、出来れば四季がある方が……」
「なるほど! 日本人だもんね! じゃあそうしよう!
じゃ、今から造るから! 出来たら連絡するよ! じゃーねー!!」
ルシファーさんは走って帰っていった。
軽い! 軽いぞ、神様!!




