ダンジョンの秘密
「さ、他に聞きたい事はあるかな?」
他にって言われてもなぁ。
そう言えば、昇進したって話だったね。
「じゃあ、俺から良いですか?」
「うん、福田君、何かな?」
「ルシファーさんは創造神だそうですけど、この世界を作ったのですか?」
「うんうん、良い質問だね。
この世界を作ったのは他の創造神さ。
そいつは手抜きばっかりしててね、降格させられたのさ。
そこで私に話が来たんだよ」
「そうなんですか」
「……それからは大変だった。食糧難だったし物資も無い。森は侵食して来るし、獣による被害もデカイ。
解決策としてダンジョンを作ったのさ。
食料・物資はダンジョンから入手出来るようにしたんだ」
「森の侵食はどうだったんですか?」
「あいつバカだからね。植物と動物の成長速度を逆にしたんだ。
そうしたら作物がすぐ育つだろって考え。
でも植物全てが早く成長するんで、森はどんどん大きくなる。畑まで侵食されたんだよ。
逆に動物は人間含め成長が遅かった。そのくせに寿命はそのままだから早死にするんだよ。
あっ、今は普通にしたから大丈夫だよ?
君達が大森林と呼んでる森も大きくなってないだろ?」
うわぁ。色々と秘密を知ってしまった……。
だからダンジョンのモンスターを倒すとゲームみたいにドロップ品が出るのか。
「ちなみに、ダンジョンマスターはこの世界の人間じゃないよ。
他の世界の者にやらせている。
まぁ彼らはゲームのつもりだけどね」
「どういう事ですか?」
「他の世界で、パソコンのゲームとして発売したんだよ。
そのゲームはこちらの世界のダンジョンとリンクしてるんだ。
彼らはゲームをやってるつもりだけど、実はこの世界のダンジョンマスターなのさ」
「自分たちでやられないんですか?」
「人手が足りないってのもあるけど、一番は考え方かな」
「考え方?」
「そう。私達だけだと、同じような物ばかりになってしまうんだ。
新しいアイデアが欲しかった。
作戦は成功で、色々なダンジョンが出来上がったよ」
「今も管理してるんでしょうか?」
「いや、ゲームを発売してからその世界では20年くらい経過してるからね。
多分誰もやってないだろう。だから管理はコンピューター任せになってるよ」
へ~。
前世にあったRP○ツクールみたいな物か?
「そんな大事な意味があるダンジョンですけど、攻略出来るようにしたのは何故です?」
「攻略出来ないダンジョンは面白く無いだろ?
それに大丈夫。1つ攻略されたら、違う場所に新しいのが出来るから。
世界的にはダンジョンの数は変わらないよ?
ちなみに、攻略されたダンジョンはモンスターは出なくなるけど、今度は鉱物が取れるようになるんだ」
確かに攻略不可能なら誰も危険を冒してまで進まないよね。
そして攻略する事で、今度は鉱物が取れる鉱山のようになるのか。
なら、国に10個ダンジョンがあるなら3つくらいは攻略しても良いね。
全部攻略されると、食糧難になるだろうけど。
良いドロップ品が出ないダンジョンは攻略した方が得か。
「さて、聞きたい事はもう無いかな? ほら、現地の人達は何か無い?
カンダさん、キジマさん、コタニさん、だったね? ほら、何か疑問は?」
「いやいや、3人とも固まってますよ。
俺達の会話も聞いてたのかすら怪しいですよ?」
「な~んだ。住みやすい?とか現地の人に聞きたかったのになぁ」
「今度聞いておきますよ。で、イイクラさんに連絡しますから」
「じゃあそれで! お願いね!」
「了解しました」
ふう。これで面会は終わりだね。
気疲れするわ~。
「じゃ、福田君。何かお願いはある? 創造神が聞いてあげちゃうぞ!」
最後に爆弾が待っていたよ……。




