悪魔って?
ここまで聞いて一つ疑問が生じた。
どうせなら聞いておこう。
「すみません。悪魔ってのはどこになるんですか?」
「いませんよ?」
「いない……とは?」
「人間が勝手に想像した物ですね。
無理矢理にでも当てはめれば、天使か大天使がそれになるでしょうか?」
「そうなんですか?」
「ええ。死にそうな人間の魂を導きに行った時に、悪い人間なら悪魔に見えるのでしょう」
そういう事か~。
って事は悪魔のボスとかもか?
「えっと、大悪魔とか言われてるのもそうですか? 例えばサタンとか」
「サタン? あぁルシファーの事ですね。ルシフェルと言われる事もあります。
あれは大天使ですよ。私の同僚でしたが、今は昇進して創造神になってます」
「ど、同僚ですか……」
「えぇ。以前どこかで福田さんのような人が居まして。
その人の担当をしてました。それ以来何故かサタンと言われるようになったんですよ。
本人は『今日から俺の事をサタンと呼んでくれ!』と楽しそうでしたが」
うわー。
それはきっと地球じゃないでしょうか?
大昔のヨーロッパ辺りじゃないですかね?
貰った能力で好き勝手してたら『悪魔に魅入られた!』と周辺の人が言ってても不思議じゃないな。
カンダさん達から見て、イイクラさんは大天使に見えるのだろうか? それとも大悪魔?
……イイクラさんの為にも、真面目にしなきゃ。
「ここまで話して判ったと思いますが、福田さんが会う創造神とはルシファーですよ」
「マジですか?」
「はい。マジです」
「いや、あいつ以外には会わせられんわ」
「そうなんですか、閻魔様?」
「おう。アホが多すぎる」
「え~、クビにはしないのですか?」
「あいつらを全員クビに出来たらどれだけ楽か! だがのぉ、それでは人が足りなくなって業務が滞る……」
「大変なんですね……」
「しかもそれを判っていて好き勝手やりやがる!
発覚すればうやむやにするか、下の物の責任にして逃げておる。 本当に腹が立つ!!」
最低だ……。
どこの社会でもそんなのが居るんだなぁ。
「アホの話はもう良い。福田君も聞きたくないだろうし、こちらも話したくない。
それよりも報酬の為に呼んだのだ。そっちの話をしようではないか」
「あっ、そうですね」
閻魔様の報酬か。
1.所有している『技術』の底上げ
新しいのは貰えないが、持っている『技術』のランクを3つ上げてくれる。
つまり、現在Dの物はAになるって事だ。
2.自分と仲間の上昇率増加
今後、レベルが上がりやすくなる。
ついでに『技術』も覚えやすくなる。
仲間は、俺が申告すれば増やす事も減らす事も可能。
ただ、人数には上限があって、俺抜きで8人まで。
現在はカンキジコンビ・コタニさん・ナグラさんの4人なので、後4人まで増やせる。
3.創造神との面会
この3つだったね。
「ではまず君のだが、それは既に終了している。後で見て確認しなさい」
いつの間にか底上げされていたらしい。
後で確認しよう。
「次に、上昇率増加だ。該当者は誰だね?」
「ここに居る、カンダさん、キジマさん、コタニさん、ナグラさんです」
「後4人まで出来るが、どうする?」
「え~、保留って出来ます?」
「うむ。では保留としよう。決まったら言ってくれ」
「はい。ありがとうございます」
閻魔様と交渉してたら、キジマさんが話しかけてきた。
「あの~、上昇率増加って、何の事ですか?」
あっ、そういえばナグラさんにしか説明してなかった気がする!




