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カジノの町の宿

本日2話目です。

疲れの取れない温泉旅行は終わった……。

今度行く時は、違う宿にしようと心に誓ったよ。


さて、カジノの町まで無事に戻ってきたのは良いが、時刻は既に19時。

今から村に帰っても良いが、無理をする必要は無い。

俺の提案で、今日はカジノの町に泊まる事にした。

宿探しだが、皆に聞いてみると、誰も泊まった事が無いと言う。

カンダキジマコンビは来たばっかりだったと言うし。

唯一長居してたコタニさんは、徹夜でギャンブルしてたそうな。……バカだろ?

従魔と子供連れなので、ギャンブルで徹夜なんてもってのほか!

ギャンブルするにしても宿を確保してからだ。


しかし困った。良い宿も知らなければ、1泊の値段の相場も知らない。

何も知らずに入った宿が一流ホテルだったら、異常に高い宿泊費になるだろうし。

まぁ多分払えるとは思うけどさ。


とにかく、こういう時は知り合いを尋ねて聞くのが一番だ。

この町の知り合いと言えば、、、司会のお姉さん・エンドウ支配人・オザキ支配人・クメ支配人の4人しかいない。

庶民的な宿を知ってそうなのはお姉さんだが、居場所が判らない。

そうなると、どちらかの支配人さんに聞くしかないな。エンドウさんは入院中だし。

ま、一緒にガチャを回した事もあるオザキ支配人に聞くとしよう。


皆には馬車の所で待っててもらい、俺1人で聞きに行く事にした。

ブラックジャックの店に行き、従業員の人に支配人を呼んで貰う。

屈辱だが、名前では気づいてもらえないかもと思い、帝王と名乗った……。

それを聞いた従業員は、青い顔で走って行ったよ。

ほどなく、オザキさんが来てくれた。


「これはこれは、福田様、お久しぶりです」


あっ、覚えていてくれた!! わざわざ名乗った俺、恥ずかしい!!


「お忙しい所をすみません。ちょっとお尋ねしたい事がありまして」

「おや、なんでしょうか?」

「今日、この町に泊まろうと思ってまして。どこか宿を紹介してもらえないかな、と」

「そういう事ですか。・・・ふむ、少々お待ちください」


そう言ってオザキさんは奥に戻っていった。

そして誰かを伴って帰ってきた。


「お待たせしました」

「いえいえ、こちらが頼んでるんですから」

「ご紹介させてください。こちら、当店の経営者であるサガワ店長です」

「サガワと申します。いやはや、帝王に会えるとはワシも運が良い! よろしくお願いしますぞ!」

福田・・です。よろしくお願いします」

「福田様、サガワ店長はホテル経営もされているのですよ」

「えっ? そうなんですか?」

「そうですな。この町では3件ほど経営しておりますぞ! 此度は泊まる所をお探しとか?」

「そうなんですよ。自分含め、大人が6人と子供が1人、従魔の子犬が1匹ですけど」

「よろしい! ワシのホテルに泊まってくだされ!! 部屋を用意させましょう!!」

「いいんですか?! ありがとうございます。お世話になります」

「いやいや、気にしないでくだされ。帝王に泊まってもらえるなぞ、光栄ですぞ!!」

「こ・光栄ですか? ただの一般人ですけど? 青色冒険者ですし?」

「このギルドの町ではそんな事は関係無いんですよ。ギャンブルで勝った者が正義!みたいな?」

「は・はあ。」

「それで言えば、福田様は素晴らしい! 支配人を入院にまで追い込む程の強さ! 正に帝王!!」


うわ~、やっぱり俺が原因なのかよ……。

花持ってお見舞いに行こうかな。いや原因の俺が行くと悪化するか?


「帝王の福田様に相応しいホテルを用意します! ワシについて来てくだされ!」

「相応しくなくていいんですけどね。まぁ、お世話になります……。」

「お任せくだされ!!」

「あっ、他の人達を馬車の所で待たせているんで。ちょっと呼んで来ます!」

「そうなのですかな? では迎いを出しましょう。おーい! ちょっと頼まれてくれ!」


近くにいた従業員が呼ばれ、そのまま走り去っていった。

わざわざ迎えに行ったんだろう。何か悪いなぁ。


俺はそのまま一行が来るまでの間、俺の武勇伝を喋る事になった。

サガワさん曰く、知っているが本人の口から聞きたいとの事。

五色の所が非常にウケた。


ようやく全員が揃ったので、サガワさんがホテルに案内してくれた。わざわざ馬車を呼んで。

歩いていきますよと言うと、帝王を歩かせるなんてとんでもない!と言われた。

本当にたいした人間じゃないんです。ここまでされると萎縮しちゃう一般ピープルなんです。


着いたホテルは、この世界ではまだ見た事の無い4階建てで石造りのホテルだった。

サガワさんについて受付に行くと、鍵を1つだけ渡された。

どうやら全員で一部屋のようだ。急に来たのだからしょうがないよね。

泊めてもらえるだけありがたいし。


そう思ってた頃もありました……。

サガワさんは帰り、ホテルの人に案内された部屋は4階だった。

4階に上がる階段の所には、兵士のような格好をした人が見張りをしている。

案内係の人が「帝王様ご一行です」と告げると、兵士は90度のお辞儀をしてくる。

4階に上がると、すぐ扉があり渡された鍵で開錠した。

部屋は4階全てを使ったスイートルームでした。

そりゃ一部屋で済むよねっ!

どんだけの宿泊費が必要なんだよ? と恐る恐る聞くと、

「無料です」

の一言だけが返ってきた……。

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