関係者?
「何故?! 何故俺達は挑戦出来ないんですか?!」
「そう興奮しないで。今、説明しますよ。
貴方はその怒りのままに私を押し倒すのですね?
そして観衆の前で私の衣服を脱がし陵辱を……」
「何の説明してるの?! しないよ、そんな事!!
何故挑戦出来ないか聞いてるの!!」
「私に挑戦するのですか? 私は手ごわいですよ?
ちゃんと勉強して、48手全て覚えてますから」
「何の話してるの?! いいかい? よく聞いてよ?
何故、俺とミーちゃんが、この試練のダンジョンと言われる、ダンジョンに、挑戦出来ないのか?」
「そういう事ですか。
簡単です。関係者だからですよ」
「関係者?」
関係者って何の?
やっぱり三途の川関係って意味だろうか?
でもそれはミーちゃんだけのはず。
「ミーちゃんについては納得した。でも俺は関係者じゃないよ?」
「かなり関わってると思いますが。タローとジローを陵辱したとか」
「人聞き悪いな! 戦っただけだよ!」
「夜の戦いですね? そしてその勢いで私も貴方の毒牙にかかるのですね?
……ゾクゾクします」
こんな所に変態のラスボスが居たよ……。
すげー関わりたくない。でもちゃんと話を聞いておかないと。
「でもそれならナグラさんも関係者じゃないんですか?」
「あの方は『技術』は貰いましたが、ラノベで言う所のチートと言う程では無いのでセーフですね。
貴方はそれで言えばチートと言えます。
そのチートの能力で私を手篭めにするのでしょう?
その腰の剣で私の衣服を気づかない内に破り捨てて私の裸体を晒すのですね?
私は何の抵抗も出来ず「くっ、殺せ!」としか言えず貴方の自由にされる……あぁっ!」
変態の話は聞かなかった事にしよう。
つまりは俺の運がチートと判定された為に、挑戦出来ないって事なのか。
あれっ? それって、ピンチじゃね?
入る人達に運での補正が出来ないって事になるんじゃ……。
いや、逆か?
運が通用するから、中に入れてもらえないって事なのか?
う~ん、よく判らない。
「ここはどれくらいのレベルなら突破出来るの?」
「どれくらいですか? そうですねぇ、貴方のように女性3人連れのハーレム野郎なら私をクリアするのは容易でしょう」
「貴方の話ではありません! このダンジョンの話ですよ!
ほら、レベルですよ。それ以外にもギルドランクとか色々基準はあるでしょ?!」
「そっちの話ですか。
レベル50の人が3人くらい居ればクリア出来るでしょう。
ギルドランクで言えば赤色クラスですね。
魔法で言うなら中級を余裕で使えるなら大丈夫でしょう」
なるほどね。
今回挑戦するメンバーは、ギルドランクが赤色のカンキジコンビ、中級魔法が使えるコタニさん、攻撃特化のナグラさん。
これにモリタ君が入る。
なんとかなりそうだね。
効くかは判らないけど、これに俺が運で補正する。
……クリア可能じゃないか?
とりあえず今の内に『試練のダンジョンに挑戦する仲間が楽に突破できますように!』と願っておく。
ステータスを見ると、運は減っていたので作動はしたようだ。
作動した事と作用するかは別の話だが。
「判ったよ。じゃあ、俺とミーちゃん以外が挑戦する」
「はい。承りました」
「皆、頑張れよ~! 待ってるから」
「任せておいて! ケチョンケチョンにしてくるわ!」
「バンバン魔法を打つっス!」
「え~と、カンダさんとキジマさん。リードをお願いしますね?」
「「判りました」」
皆は開いた扉に進んでいった。
う~ん、心配だ。一応いつでも掛けられるように毛布でも用意しておくか。
「『リードをお願い』なんて、あの方達は慣れてらっしゃるんですね。
まぁ女性二人はまだお若いようですし、経験も少ないでしょう。
経験豊富な大人が優しくリードしてあげるのは重要ですよ」
「あんたはいい加減に黙りなさい!」
「黙れ、なんて言って、口付けで口を封じるつもりなのですね?
そしてそのまま貴方の手が私の服の中に……フフフフ」
もうやだ、この変態……。




