カンキジと再会
俺達は旨い酒を奢ってもらい、上機嫌で帰宅した。
当然稼いだチップも交換して。
あの時出てきたのは支配人だったようだが、帰る時には涙目だった。
よく考えたら、他の人が大量に賭けてたら損害も大きかっただろう。
結局、ウエダさんも泊まっていった。
あんな酩酊した状態で馬車に乗って帰るなんて無謀だからね。
飲酒運転、ダメ! 絶対!
翌日になって『コネクト』で送れば良かったと気づいた……。
ま・まぁ、その場合は馬車を置きっぱなしになるのでダメだよね?
俺達3人は、昼間まで寝てた。
起きるとウエダさんは帰っていったが。
ウエダさんを見送ってると入れ替わりに、カンキジコンビが帰ってきた。
「ただいま戻りました!」
「お帰り~」
「あれ? 福田さん、元気無いですね?」
「二日酔いなんだ……」
「そうなんですか? あっ、これ、お土産です」
皆も集まってきて、挨拶してる。
あっ、ミーちゃんとモリタ君は初対面か。
それぞれで自己紹介してください。
俺には今は紹介する気力がありません……。
モリタ君は元気だね。若いって事か?
って俺も20代なんだけどさ。
そう考えながら皆を見てたら、コタニさんがこっちにやってきた。
「福田さんも魔法要るっスか?」
「魔法?」
「さっきナグラさんがモリタ君相手に実験してたっス。
毒消し魔法『アンチドート』で二日酔いが治るのかって。成功したっスよ?」
「あぁ、だから元気なのか~。じゃあお願いしようかな」
「了解っス」
コタニさんに『アンチドート』をかけてもらう。
するとさっきまでの気持ち悪さや気だるさが無くなった!
凄いな、思いつかなかったよ。
酒も度を越せば毒だって事なのか。
すっきりしたから思い出したけど、確かにラノベとかでは良くあるパターンだな。
きっとそれで思いついたのだろう。
まぁ、そういうのを覚えてるのも実践してみるのも才能だよね。
ってこう言うと、自分を褒めてるみたいだ……。
恥ずかしい……。
皆でリビングに移動し、これからの予定を話すことにした。
「え~、明日からコルラド国へ向かいますので、何かあるなら今日のうちにお願いします」
「夜はどうするの?」
「えっ? ナグラさん野営したいの?」
「したくないわよ! カジノの町か王都かどちらに帰るのって事!」
「う~ん、ここか王都? どっちが良いの?」
「王都での買い物は終わったから、こっちが良いかな。皆はどう?」
「私もこっちで良いっス」
「「どちらでも良いです」」
「そういう事なら王都が良いかな?」
「同意します……」
なるほど。
王都では、もう買う物は無いのか。
カジノの町で買い物する気だな?
それに気づいたミーちゃんとモリタ君は王都が良いという訳か。
カジノの町に2票、王都に2票、どちらでもが2票、か。
どうやら俺に決定権があるようだ。
「じゃあ、最初3日間は王都で、後はカジノの町、って事で」
「その理由は?」
「タルーンさんに用事があるから」
「なるほどね。了解」
武具の件や、お願いしてた依頼の件などあるからね。
帰ったら連絡が来るようにもしてあるし。




