待っていたのは
カジノの町に到着した俺達を待っていたのは、カンキジコンビ……ではなくウエダさんだった。
何の用事かと思えば、当然のようにギャンブルだった。
「とうとうルーレット場が出来たらしいぜ! さ、行こうぜ!」
へ~、ルーレットって無かったのか~、じゃねぇよ!
俺達はカンキジコンビが帰り次第、隣の国に行くんだよ!
ギャンブルしてる場合じゃないっての!
まぁ、行くけどさ。
って事でウエダさんの案内で、やってきましたルーレット場。
着いてきたのはモリタ君だけ。
どうやら女性陣に「福田さんの力を見るならギャンブルが一番」と言われたらしい。
中に入ると大盛り上がりしている。
台は全部で6台。どれにも人が群がっている。
俺達はとりあえず入り口横にあった換金所でお金をチップに交換してもらった。
チップは100分の1になるようだ。1万円は100と書いてあるチップになる。
チップの種類は5・10・50・100の4種類。
ウエダさんとモリタ君は普通に換金してもらった。
俺の番になったので、とりあえず10万円分を交換してもらおうと考えていた。
しかし受付のお姉さんは、俺の顔を見るなり横にあるボタンを慌てて押した。
すると店内にヴィーヴィーと警報のような音が鳴り出した!
なんだよ! 俺は何もしてないぞ?!
あっと言う間に警備員の人達に囲まれたじゃないか!
その状態で待っていると、お偉いさんかな?って人がこちらに歩いてきた。
「要注意人物NO1、福田様ですね?」
「いや、福田だけどさ。何その要注意人物って?」
「そういうリストがあるんですよ」
「NO1って事は、そのリストの一番最初に書いてあるの?!」
「はい」
なんだよ?! 嫌がらせか?!
「福田様には残念ながら2種類しかプレイ出来ません」
「2種類って何よ?」
「高額の1発勝負か、低額のプレイか、どちらかになります」
「ん? よく判らない。詳しく」
「高額の1発勝負は、賭ける金額に上限はありませんが、赤黒のどちらかのみに賭けていただきます。
当たれば2倍です。しかし、当たった場合はそれでお帰り願います」
「低額のプレイってのは?」
「1時間内でしたらずっとプレイ可能でございます。
その代わり、使用出来るチップは5か10の物に限定させていただきます」
高額のゲームは1回のみだが、大きく稼げる。
低額のゲームは1時間は遊べるが、大きく儲ける事が出来ない。
こういう事か。
まるで日本のパチンコみたいだな。
4パチと1パチみたいだ。
稼ぐなら高額ゲームだろうな。
100万突っ込めば、200万にはなる。
「質問して良いかな?」
「どうぞ」
「低額の方だけどさ。5と10のチップを使って良いって言ったよね?
それは何枚も使って良いの?」
「上限は5枚までとさせていただきます」
5枚か。
じゃあ迷う事無く低額のゲームだな。
「では低額の方で」
「判りました。こちらでございます」
俺達は案内されてテーブルに向かう。
そのテーブルには「低額専用」と書いてあった。
そこにも人盛りが出来ていたが、俺達が行くとさっと前が開いた。
「おい、帝王じゃないか?」「本当だ! 帝王だ!」「あれ? 今日は女性が居ないぞ?」「バカ! よく見ろ」
「あっ、知らない男連れだ!」「……そういう趣味なんだろ。察しろよ」「そうだな……」
こいつら……。
全員、何らかの形で破産させてやろうか!
誰がBLだよ!!




